2023 Fiscal Year Annual Research Report
Role of Frontrunners in Transition Management for Sustainability
Project/Area Number |
21K12354
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
松浦 正浩 明治大学, ガバナンス研究科, 専任教授 (70456101)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トランジション / トランジション・マネジメント / サステナビリティ ・トランジション / 浦和美園 / トランスフォーメーション / 気候市民会議 / 電気自動車 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究成果のとりまとめを中心に据えつつ、さいたま市浦和美園地区におけるトランジション・マネジメントの参与観察を継続した。研究成果のとりまとめとしては、気候変動および人口減少に対して日本におけるトランジションの必要性を理論的に解説し、オランダ等におけるトランジション・マネジメントの実践を紹介する『トランジション:社会の「あたりまえ」を変える方法』を集英社インターナショナルから出版した(初版4,000部)。このアウトリーチを通じて、今岡ほか「デジタルエシックスで日本の変革を加速せよ」(ダイヤモンド社、2004年)でトランジション・マネジメントに数ページ言及されたほか、民間企業のトランジション・デザインのコミュニティとの連携が始まり、社会的インパクトのある研究のさらなる発展の端緒を得た。浦和美園地区における参与観察としては、第1に、第3回の定点モニターアンケートを実施して113件の回答を収集し、第1回~第3回の回答の変化について分析を進めた。第2に、試乗体験を通じた電気自動車へのトランジション加速の可能性を探る「Misono2050EVフェス」を開催し、18名の参加者から、電気自動車への懸念や試乗後の移行の変化についてアンケートの回答を得た。第3に、年齢・性別・居住地等を考慮して選定した住民18名の参加による「みその気候市民会議」を計3回開催し、ボトムアップによる気候変動対策の可能性を模索した。気候市民会議はこれまで日本国内では市区全体を対象に開催されているが、「みその気候市民会議」は小規模な地区を対象に開催した先駆的な事例となり、全戸ポスティングを利用した参加者募集など新たな技法を試行したほか、ゲーミフィケーションの利用など他の気候市民会議と異なる新規性の高い提言が生成された。
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Research Products
(2 results)