2021 Fiscal Year Research-status Report
A Study on conservation of a group of colonial buildings in a multicultural symbiotic societies
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21K12397
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
八百板 季穂 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (30609128)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レブカ歴史的港町 / 世界遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、新型コロナウイルス拡大により現地調査が実施できなかったため、既往研究のレビューを進めるとともに、ナショナルトラストフィジーなどとオンラインで協議しつつ現地の状況把握に努めた。 ・2016年にフィジー国内で大きな被害をもたらしたサイクロンウィンストン以来、歴史的建造物の修理が進んでおらず、政府からの十分な支援がないまま、被害を受けた建築物が修理されないまま放置され、腐朽が進んだ結果撤去されるというケースが起こっていることが把握できた。日本のような補助金のシステムがない点、また、保存対象の建造物の選定時に所有者の同意を取りつけていない点から、民間所有の歴史的建築物の維持には限界があることが把握できた。 ・世界遺産地区内の建造物の現状変更申請については、町役場、フィジー政府遺産・芸術局、フィジー政府都市計画省、ナショナルトラストフィジーが確認することになっているが、このシステムが機能しておらず、本来許可すべきでない変更が議論されないままに認められていることが把握できた。また、町役場や都市計画省ないの担当者が2〜3年単位でかわっていくため、各担当者はレギュレーションの理解を深めることができないままに許可を出していることが把握できた。 ・新型コロナウイルスの影響もあり、フィジー政府遺産・芸術局が設置した住民代表者も出席する委員会が開催されておらず、住民参加の文化遺産マネジメントの体制も弱体化してきていることが把握できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス拡大により現地調査を実施することができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、海外渡航の規制が緩和されることが予測されるため、計画内容は変更せず、時期を短縮して研究を推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス拡大により現地調査が実施できなかったため。 計画内容は変更せず、2022年度に、計画スケジュールを短縮して実施する。
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