2021 Fiscal Year Research-status Report
光反応抑制と放射線反応促進による蛍光ゲル線量計の高機能化
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21K12524
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前山 拓哉 北里大学, 理学部, 助教 (70612125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深作 和明 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 客員研究員 (80283266)
犬井 洋 北里大学, 理学部, 准教授 (20348600)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ゲル線量計 / 三次元線量分布 / 放射線治療 / 化学線量計 / ナノクレイ / 蛍光プローブ / 放射線化学 / 水溶液線量計 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍の形に合わせて線量を集中させた照射を行う高精度な放射線治療が普及してきている。それに伴い、治療の品質管理・品質保証の観点から、複雑になった線量分布を検証するための線量計の開発が進められている。2019年に、少量の水分散ナノクレイのみをゲル化剤とし、蛍光プローブを加えることで作られる蛍光ゲル線量計を開発した。化学測定手法の中で最も高感度な蛍光測定法を用いることで、1Gyオーダーが測定限界である従来の3次元ゲル線量計に対して、さらなる高感度化が期待できる。本研究では蛍光測定法のメリットを最大限に活かすため、新規に光化学反応の抑制方法を検討し、既存のものよりも2桁高い感度0.01 Gyオーダーでの線量分布測定法の開発を目指した。また、緻密な照射が可能な重粒子線に対する特性評価並びに、重粒子線治療への応用研究を進めた。 本年度は具体的に、以下の成果を得た。 (1)蛍光ゲル線量計に対する光安定性の評価を定量的に行い、組成条件を網羅的に変更した。結果、界面活性剤が有効であることを見出し、その他の新規の分散剤も有効であることを明らかにした。最適な組成条件を決定し、また、0.1- 0.5 Gyの範囲で線量増加に伴った蛍光強度の増加を計測できることを実証した。これらの結果はまとめて論文として報告した。 (2)重粒子線に対する蛍光ゲル線量計の応用を進め、蛍光ゲル線量計においてもLET非依存の感度特性を有するナノコンポジットフリッケゲル線量計と同様にLET依存性を制御できそうな結果を得ることができ、研究会にて報告を行った。本内容は論文投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は蛍光ゲル線量計への光安定性の付与のみであったが、次年度以降に計画されていた高感度化や重粒子線への適用においても予備的に良い結果が得られ始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通りに進める。
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Causes of Carryover |
令和4年に納入予定の装置(二次元蛍光撮像装置)の仕様詳細が決まり、前倒しして、購入するため、前倒し請求を行っている。これにより、差額が生じているが、次年度は計画通りに予算を使用する。
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Research Products
(10 results)