2023 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド検出素子を用いた放射光ビームのパルス・モード計測と伝送線路の耐熱化
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21K12530
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| Research Institution | Japan Synchrotron Radiation Research Institute |
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Principal Investigator |
青柳 秀樹 公益財団法人高輝度光科学研究センター, ビームライン技術推進室, 主幹研究員 (20416374)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 光ビーム位置モニタ / パルス・モード計測 / マイクロストリップライン / 放射光ビームライン / ダイヤモンド・ヒートシンク |
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| Outline of Annual Research Achievements |
大型放射光施設SPring-8の高輝度放射光ビームラインにおいて、放射光ビームの位置をパルス毎に計測できるパルスモード計測型X線ビーム位置モニタ(PM-XBPM）の実用化に向けた性能評価を実施した。
PM-XBPMは、バンチ電流値が高いと単一の放射光パルスによって放出された光電子が自身の電界で反発力を受けて、電荷信号が不安定になる現象を引き起こす。これを回避するために、従来の直流モード型と同様に、4枚の検出素子を傾斜配置とすることで、放出される光電子に対する空間電荷効果の影響を低減しようと試みた。パルス毎の位置分解能を向上させるためには放射光パルスからの電荷信号を大きくすることが有利であることから、この空間電荷効果の影響の問題を解決することを避けては通れない。
空間電荷効果の影響を見積るために独自に考案した、光電子収集電極に印加するバイアス電圧に対する電流信号の応答を評価する方法を実施した。その結果、空間電荷効果が最も大きく現れる蓄積リングのフィリングパターン、かつ、挿入光源が最大出力を発生する最小ギャップ値において、通常の運用よりも十分に低いバイアス電圧（+100V）の印加で出力信号の安定領域が確保できることを確認した。PM-XBPMの空間電荷効果の影響を低減させる機能は、従来の直流モード型よりも上回っている。これは、高周波特性を向上させるために検出素子を小型化したことで、バイアス電圧の印加が検出素子受光面の電界を効率よく増大させることができたからと考えられる。
昨年度までに確認した良好な位置感度（線形性）とミクロンオーダの分解能に加え、最終年度には空間電荷効果の影響の問題が回避できていることを確かめた。本研究によりPM-XBPMの実用機としての信頼性が総合的評価できたと考えている。
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