2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a high-efficiency and high-intensity accelerator with the cyclotron resonance
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21K12537
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神田 浩樹 大阪大学, 核物理研究センター, 講師 (40321971)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | サイクロトロン共鳴 / 高周波共振空洞 / チューニング機構 / 計算シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
サイクロトロン共鳴加速に使用するTE111モード高周波用の円筒形共振空洞の計算機シミュレーションを実施し、回転電磁場の実現のための縦偏波と横偏波の高周波の印加方法、チューニング方法、モニター方法を検討した。開発を行っているサイクロトロン共鳴加速法では、周波数の等しい縦偏波と横偏波の高周波を位相を完全に90°ずらして独立して印加することで最大の効率を生むが、そのための高効率の高周波の入力方法、およびモニター方法と周波数の調整方法の検討が必須である。 そこでANSYS-HFSSを用いたコンピューターシミュレーションにより縦偏波と横偏波の入力用の結合器の構造を調整し、入力の効率が最大となり、かつ結合器の相互の結合が最も小さくなる配置を見い出した。また、共振周波数の調整法として金属製のロッドの挿入長を可変することによる周波数の調整範囲、縦偏波・横偏波への相互の影響の調査を行った。共振器の直径の約10%に相当する0~40 mmの範囲で金属製ロッドを挿入することによる周波数の調整範囲は0.3 %と、銅の熱膨張によって共振器の寸法が変化することによる0.05% の周波数変動範囲を十分に補償できる値を得ることができた。しかしながら、この調整方法では縦偏波から横偏波またその逆方向の共振周波数への影響がある上に、基本波以外の不要な共振周波数・モードが発生するなどの問題が発生することもシミュレーションの結果として判明した。またモニター用の結合器による影響も無視できないことも判明し、これらの解決が共振器開発には必須であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
縦偏波・横偏波の2種類の高周波のチューニング機構について、相互の影響を小さくできるような構造を見出すことができず、機械設計にまでとりかかることができなかった。また、他の緊急度の高いデューティーにエフォート率が割かれたことから、この研究にかけられる時間が制約を受け、思わしい進捗を得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
文献の調査を広く行うとともに、同様の仕組みをもった回転電場を生成する共振空洞を開発しているKEKの研究グループとの意見交換を実施し、電気的構造の解明を進める。 また、機械設計については機器製作を行うメーカーとの情報供給を緊密にして、現状の電気的設計段階でも可能な範囲から設計および製作を進める。
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Causes of Carryover |
当初予定していたPCの購入を控え、共振空洞の電気的特性の測定に必要な計測器の購入に変更した。計測器がPCより安価であったことから次年度使用額が発生した。なお、PCの購入を控えたのは、研究室内の余剰のPCを利用することができたことによる。次年度使用額は、高周波空洞の設計・製作費に充てる。
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Research Products
(2 results)