2021 Fiscal Year Research-status Report
Clarification of easy-to-read and understand notation methods for foreign residents
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21K13047
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Research Institution | National Institute for Japanese Language and Linguistics |
Principal Investigator |
岩崎 拓也 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 日本語教育研究領域, 特任助教 (60818037)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 表記法 / 句読点 / ルビ / 分かち書き / やさしい日本語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、まず、読み時間の調査・理解度調査で用いるためのアプリケーションで使用するプログラミングの作成を行った。また、それと同時に関連の情報や論文・書籍などの収集し、日本語の表記のなかでどのような要素が日本語を母語としない人々にとって読みやすいのかというアンケート調査を予備調査として実施した。予備調査を通じて得られた結果をもとに、調査項目の選定を行った。また、調査を行うさいに必要な書類の作成と翻訳文書を作成した。 その後、実際に定住外国人と留学生に対してインタビュー調査と読み時間の調査・理解度調査を実施し、データの収集を行った。調査の手順は以下の通りである。まず、パソコン上で調査協力者の日本語能力を測るオンラインテストを受けてもらい、作成したアプリケーションを用いて、読み時間の調査と理解度調査を行った。読み時間調査は、文が現れてから次にクリックするまでの時間を自動的に記録した。また、理解度調査は、文を見てその読みやすさを7段階の尺度で測る形でデータを収集した。これらの調査は、パソコンの操作に慣れてもらうため、事前に練習を行っている。これらの二つの調査の後、休憩をはさみ、インタビュー調査を行った。インタビューは通訳をつけて彼(女)らの得意な言語を介して行った。なお、これら一連の調査は全て録音・録画し、記録した。 現在までに録音・録画したインタビューは順次翻訳・文字化し、現在までに実施した調査分の翻訳・文字化は完了している。本年度の終わりには、本調査のデザインと予備調査の結果を海外学会で口頭発表を行った。次年度は、データの収集を継続するとともに、収集したデータの整理と分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
使用予定のwebアプリが使用できなくなり、ローカルでの調査を余儀なくされ、そのためにプログラミングを修正するなど、予定より遅れが生じた。また、このトラブルによりオンラインでの調査が難しくなり、対面での調査にシフトしたが、コロナウイルスの流行にともなう緊急事態宣言などの影響から対面調査のセッティングが難しく、本年度の予定調査人数を下回る結果となった。 しかしながら、調査のデザインと予備調査の概要・結果について、海外学会での招待発表を行うなど、一定の成果もみられた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における調査で必要な書類、アプリケーションの作成は完了したため、今後は定住外国人と留学生に対する調査を進めていく必要がある。また、収集したデータを文字化し、データベース化するなどの作業も同時に行う予定である。さらに、作成したデータをもとに、学会発表やジャーナルでの投稿も予定している。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの流行とそれに伴う緊急事態宣言などの影響から、対面形式での調査が難しくなり、予定よりも調査の実施数が少なく、支払い予定の謝金が少なく済んだ。しかし、次年度以降に繰り越した人数分の謝金の支払いに使用する予定である。また、調査を進めていくにあたり、データが拡充していくため、分析に必要なソフトとコンピュータを追加購入する予定である。
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Research Products
(1 results)