2021 Fiscal Year Research-status Report
知識集約的組織におけるマネジメント・コントロール・システムの理論的探求
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21K13399
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
藤原 靖也 和歌山大学, 経済学部, 准教授 (10756175)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 目標整合性 / 知的労働者 / 専門職 / マネジメントコントロールシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、経済社会に及ぼす影響の高まりに伴い着目されてきた知的労働者の有する専門的知識をいかにして活用しつつ、組織と知的労働者との目標整合性を確保するのかという管理会計上重要な課題の知見を分析・統合したうえで理論的基盤を提供することを企図したものである。 その中で、今年度は分析・統合の前段階として、本研究の遂行における中核的な概念につき隣接する諸領域の研究を参照しつつ整理することを最優先に遂行した。それは、とりわけ隣接する諸研究も含め当該分野に関する管理会計研究が飛躍的に進展しており、研究論文数も増加しているためである。そこで、今年度はまず具体的には先駆的に概念的な研究が進められてきた行動科学の知見を中心とし整理を行った。 次に、本研究の研究目的を達成するために必要な管理会計研究の文献を狩猟するためのガイドラインを確定させることに注力した。それは、諸研究の研究の現状を整理しその成果を統合するためには、やみくもに文献を狩猟する前にその背景となっている諸理論・諸概念の整理を行ったうえで秩序立てて行うことが有益であるためである。 最後に、そのことと並行して、実際に数本のサンプルを収集し管理会計研究の記述的レビューを行った。なお、管理会計研究のレビューを行う際には、具体的にどのようなトピックにつきどのような課題が議論されており、それらが整理・統合できるか否かの確認も込めて、1つ1つ確認しながら試行的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に企図していた中心的な概念・課題等についてはおおむね整理でき、文献の収集方針を仮にでも策定できたこと、そのうえで管理会計研究のレビューに着手することができ成果を報告できたことは研究計画書の通りであり、おおむね順調に本研究は推進できているものと評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は管理会計研究のレビューに注力し、分析の収集方針とも照らし合わせつつ、これまでの研究が何を明らかにしてきたのかを分析・統合しその成果を発信していくことに注力していく。その際、本研究の初年度において整理した分析の収集方針や中心的な概念の整理が不十分であればそれも併せて修正・補強していく。
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Causes of Carryover |
本研究ではまず初年度に研究環境を整えるとともに文献収集のガイドラインを策定したうえで、続く2年において本格的な文献収集を行い成果を発信するための諸経費に用いる計画であった。この点、研究環境の整備にかかる諸経費については当初計画における使用金額に加え、独立基盤形成に関する支援を受けることができた。そのため、当初計画していた初年度において使用すべき金額を支援いただくことができ、2年目以降に使用できる支援金額が生じた。その額は、2年目以降の本格的な文献収集および研究成果の発信のための経費を中心として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)