2021 Fiscal Year Research-status Report
幼年期のパフォーミングアーツの経験が非認知能力に与える影響の実証分析
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21K13518
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
飯田 星良 追手門学院大学, 地域創造学部, 特任助教 (30846316)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非認知能力 / パフォーミングアーツ / グリット / 実証分析 / 芸術教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では日本の芸術活動の教育的な効果に注目し、特に、幼年期におけるダンスなどのパフォーミングアーツの経験が非認知能力を涵養するという教育効果を持つことを定量的に明らかにする。近年、教育分野では非認知能力が注目を浴びている。また、ダンスの義務教育化やアプリの普及などによりパフォーミングアーツの影響が一層取り上げられるようになっている。 しかしながら両者の関係を議論した研究は少なく、特にパフォーミングアーツの経験の有無で統計的に有意な差を検証した研究はまだ十分にない。そこで、本研究では独自の調査によってパネルデータを構築し、学校外でのパフォーミングアーツ経験に応じた差分の差分法を用いた定量評価を行う。STEAMM (Science, Technology, Engineering, Arts, Math, and Medicine)に関する議論において芸術が他の学力の育成に貢献することが指摘されるなど芸術の役割が見直されていることに注目し、教育における芸術の位置づけを再考するための基礎的知見を提供する。 今年度の調査研究としては、2つのアンケート調査データを用いて、分析のためのデータセットを構築した。まず別の研究チームで行っている児童の経年調査を個人ごとに年度で紐づけるパネルデータの構築を行った。さらに、自身で調査票を作成しウェブ上でアンケート調査を行い、過去の個人の経験を振り返り現在の非認知能力との関係の把握を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの構築について、サンプル数の多さと質問項目の関係上パネルデータの構築に労力を要した。ただし、来年度以降の分析に足るデータセットであると考えられるため調査研究自体はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は構築したデータセットを用いて、実際にパフォーミングアーツの経験の有無で、非認知能力に影響するのか分析する。どのような非認知能力に効果があるのかの検証については、まず考えられる能力を仮定した上で、先行研究を参考に選定する予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由はウェブ上でのアンケート調査にかかる費用を計画当初よりも抑えることができたためである。 来年度、分析に必要な図書や備品を購入するために使用する予定である。
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