2023 Fiscal Year Annual Research Report
家にいながら「Praxis:実践」を共創する傷害予防教育プログラムの実装
Project/Area Number |
21K13566
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大野 美喜子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (80715730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 傷害予防教育 / AI / エンパワメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,もっとも重要な子どもの健康問題のひとつである「傷害」を取り上げ,保護 者の予防行動を支援するオンライン診療システム(応えるAI)を開発した。具体的には,ZoomやSkypeといったFace-to-faceコミュニケーションアプリを利用し,保護者側の端末(PC,スマートフォン等)で,自分の生活空間を映し,それが講師の端末に送られると,送られた生活空間画像に対して,講師側の端末が,事故に関連するモノの認識やリスクの高い状況の認識を行い,危険個所と事故を予防するための情報が保護者の共有画面に表示される仕組みになっている.この仕組みは,知識グラフと呼ばれる方法と画像認識技術を組み合わせて実装した. また,本研究では,リスクを提示し,その予防策を伝えるだけでは保護者の行動変容を促進する効果は弱い点に着目し,家庭内の典型的な事故の種類ごとに,保護者の「予防グッズをどこで購入してよいか分からない」「穴があけられない」といった対策をしない・できない理由を調査し,開発システムを活用しながら講師と保護者のより深いコミュニケーションを促進するための基礎データを整備することができた. 実際に,開発システムを活用して実施した保護者教育(フィージビリティ調査)では,提示される情報が,実際の居住空間情報であるため,それまで気づかなかったリスクに気付き予防への意識が高まるなど,保護者への教育効果があるだけでなく,講師にとっても,保護者がなぜ対策を実施しない,またはできないのかなどの現実的な理由を理解できる、などの効果もあることが分かった. 本研究は,国内の学会で1回,国際学会で1回,国際論文誌2本を発表した。
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