2021 Fiscal Year Research-status Report
思春期女子に特有の発症リスクを考慮した摂食障害予防プログラムの開発
Project/Area Number |
21K13714
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Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
武部 匡也 立正大学, 心理学部, 助教 (90823097)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 思春期 / 青年期 / 予防プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,思春期女子に対する摂食障害予防プログラムを開発することであった。当初の計画では,今年度で発達段階で一貫した予防モデルを構築して,思春期・青年期におけるリスク要因の共通性と個別性を解明する研究Ⅰの完了する予定であった。 しかしながら,新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて,データ収集が十分に行うことができなかったため,研究Ⅰを完遂することはできなかった。一方で,調査実施の制限がある中,インターネット調査会社に調査業務を委託し,目標数に達しなかったものの,データを集めることはできた。中学生150名,高校生150名のデータが現状では集まっており,中学・高校・大学とそれぞれで300名の目標数まで集めることはできなかった。現在は,予防モデルを構築するためのデータ分析を進めている最中である。 また,今年度は予防プログラムの効果検証に向けて,いくつかの高校との関係を深めることができた。出張講義の訪問の際に,研究実施に向けた話し合いを行った。現状はコロナ禍であり,その状況に左右されるものの,感染状況が好転していけば,研究協力の可能性も検討できる旨の回答を得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究計画に先行し,本研究の土台となる研究が発行されるに至らず,分析方法が確定していないことによる計画の遅れが発生した。先行研究との一貫性を担保する目的から,先行研究の分析方法を踏襲してデータ分析を行う必要があるために,先行する研究が発行されるまで,分析方法が確定しない。データは集まってきているものの,そのデータを分析する方法が確定しなかったために,今年度の当初の予定である研究Ⅰの完遂までに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究Ⅰの完遂のためには,先行研究の発行が第一となる。現状では,関連分野の学術雑誌にすでに投稿済みで査読審査が開始されている。いくつかの査読審査を通して,内容が改善されてきていることから,2022年度中の発行が期待できる。その審査が通り次第,データ分析を開始して,モデルの構築を行うことができる。その準備として,データを目標数まで収集することも並行して行う。所属先の研究者と共同でクアルトリクスと契約を行い,WEB調査を迅速に進められるようにして,研究Ⅰの完遂を目指す。 また,予防プログラムの効果検証に向けて,より具体的に高校との話し合いを進める。2023年度からプログラムの検証を行えることを目標に高校側と交渉する。
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Causes of Carryover |
当初計上していた「旅費」,「人件費・謝金」の支出がほぼなかったために,次年度使用額が生じた。「旅費」については,コロナ禍の影響で,学会などで出張することがなかったために,支出が生じなかった。また,「人件費・謝金」についても,コロナ禍の影響で接触をなるべく回避するために,アルバイトを雇用することができず,支出が生じなかった。 2022年度はコロナによる制限が緩和される見通しで,対面とWEBのハイブリッドで実施する予定の学会も多いこと,そして,アルバイトの雇用も可能と思われる。そのため,旅費および人件費と謝金については,2022年度で一定の金額を使用できる見込みである。特に,データの収集が完了して,データの整理が必要になることから,その業務を担当してもらうアルバイトの雇用額の支払いは多くなる見通しである。その他,積極的な学会参加によって研究課題に関する情報収集し,2022年度の後半に研究Ⅰのデータを発表することも視野に入れている。
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