2021 Fiscal Year Research-status Report
Examination of cognitive behavioral processes that predict rumination in daily life
Project/Area Number |
21K13730
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 秀樹 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (30849097)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 患者報告式アウトカム尺度 / 心理尺度 / COSMIN / 新型コロナウイルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では,日常生活の反すうが抑うつを予測する認知行動プロセスを検討することが目的である。日常生活の反すうを正確に測定するためには,経験サンプリング法や患者報告式アウトカム尺度(PROM; 自己記入式の心理尺度とほぼ同義)の方法論をレビューする必要があると考えられた。そのため,該当年度では,(1)PROMを含む健康関連尺度の選択に関する合意に基づく国際的な指針であるCOSMINが開発したCOSMIN Risk of Bias Checklist(Mokkink et al., 2018)の日本語版を開発し,(2)尺度研究におけるCOSMINガイドラインの動向に関する総説論文を作成した。(1)はCOSMIN initiativeから許可を得て,厳密な翻訳プロセスを経て開発された。また,COSMIN Risk of Bias Checklist日本語版はCOSMINの公式ウェブサイト上で公開されている。(2)は患者に限らず幅広い対象にPROMを使って研究を遂行する際の方法論や,質の高いPROMを評価し選択するための要点をまとめ,査読付き学術誌である『認知行動療法研究』にアクセプトされた。これらの成果は,本研究課題でも使用するPROMに関して,質の高いPROMを評価して選択する過程に貢献するものである。 また,当該年度では新型コロナウイルス感染症が社会や人々に大きな影響を及ぼしていた。そのため,COSMINガイドラインの方法論に沿って,新型コロナウイルス感染症に関するストレス症状を測定するCOVID Stress Scale(CSS; Taylor et al., 2020)の日本語版を開発し,その信頼性と妥当性を検討した。この成果は日本認知・行動療法学会第47回大会で発表され,「ポスター発表最優秀研究報告賞」を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では,日常生活の反すうを測定するための方法論をレビューすることが目的であり,その実績として,COSMIN Risk of Bias Checklist(Mokkink et al., 2018)の日本語版と,尺度研究におけるCOSMINガイドラインの動向に関する総説論文を作成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初の研究計画通り,経験サンプリング法を用いて日常生活の反すうが抑うつを予測する認知行動プロセスを検討する。
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Causes of Carryover |
当該年度で実施した研究遂行に必要な備品(特にノートPCとデスクトップPC)を購入しなかったため。これらは翌年度に購入予定であるため,それを除けば使用額に大きな差異はないと考えられる。
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Remarks |
COSMINの公式ウェブサイトの「Guideline for Systematic Reviews of Outcome Measurement Instruments」というページ上に,研究代表者らが作成した「JAPANESE VERSION OF THE RISK OF BIAS CHECKLIST」が掲載されている(オープンアクセス)。
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Research Products
(7 results)