2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13915
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
衣川 智弥 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (90779159)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 連星ブラックホール / 初代星 / 重力波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究費により、本年度は査読付き論文を5報出版した。これらの研究はLIGOらによる重力波観測結果で明らかになったコンパクト連星合体を説明しうる連星進化について計算、考察した論文である。 特にLIGOにより観測されたGW190521という重力波イベントは合計質量が150太陽質量になる最も重い星質量ブラックホール合体であり、このブラックホールがどのような母天体からできたのかは謎となっている。本年度の研究により、初代星の連星進化により、このイベントを再現する連星ブラックホールを形成できることを示した。また、初代星起源のGW190521に似た連星ブラックホールの合体率はLIGOの観測からまとめられた合体率を説明できることも示した。 また、LIGOにより観測された連星ブラックホールのうち合体する連星ブラックホールの典型的な質量が20太陽質量以上のもの合体率について、初代星起源の連星起源のモデルでよく再現できるということも本研究により示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍において共同研究者との対面での議論が困難な状況も多く、進捗が遅くなる研究もあったが、結果的には五報の論文を出版し、順調に研究が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
海外への渡航制限が緩くなっている。今後は国際研究会や海外への研究機関への滞在機会を増やすことで、より研究の幅を広げていくつもりである。 今後は海外とのコラボレーションをより増やしつつ、これまでの研究をより発展させていくつもりである。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で海外への出張がなくなってしまったことにより次年度使用金が生じた。現時点で海外渡航制限が緩くなってきており、海外での対面研究会もいくつも計画されているため、これらの参加費及び渡航費として使用する。
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