2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13915
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
衣川 智弥 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (90779159)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 初代星 / 連星進化 / ブラックホール / 白色矮星 / 重力波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度中には、主に以下の研究を行った。 ・重力波観測で見つかったブラックホール―中性子星連星について孤立連星系での形成が可能かを検証し、形成可能であることを示した。また、ブラックホールー中性子連星は形成当初は中性子星がパルサーとして電波放射をすることが予想されている。しかし、いまだ電波による観測はできていない。本研究では、ブラックホールー中性子星連星発見とブラックホールーパルサー連星の未発見は無矛盾かどうかを検証した。現時点での電波観測においては未発見であることは無矛盾だが将来計画によりブラックホールーパルサー連星が観測されるであろうことを示した。電波での将来観測によりブラックホールーパルサー連星が観測されることにより、重力観測と電波観測を組み合わせることでブラックホールの形成理論に制限を与えることができることを示した。 ・大質量な初代星の連星進化計算を行い、このような連星がどのようなコンパクト連星として宇宙空間に残るかを見積もった。また、これら大質量な初代星起源のコンパクト連星が今後の重力波観測によって発見されうるかを検討し、十分にその可能性があることを示した。また、発見された場合、初代星の初期質量及び連星の進化パラメータへの制限を行えることを示した。 ・重力波の将来観測計画において、白色矮星同士の連星合体をどの程度の頻度及び精度で観測可能かを見積もり、白色矮星の連星合体が有力な起源候補と考えられているIa型超新星爆発の起源天体への制限及び同定にどの程度寄与できるかを見積もった。DECIGOといったデシHz帯の重力波観測が動き出すことで、Ia型超新星の期限に迫ることができると示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に共著合わせて3本の論文を出版し、連星及び重力波天文学について多角的に研究を行い成果を上げている
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Strategy for Future Research Activity |
今後は重力波の第4期観測も始まり、より多くの観測結果が出てくることが期待されている。 観測結果を鑑みることでより理論の検証を進めていくつもりである。
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Causes of Carryover |
コロナ禍による国内研究会及び国際学会の減少による差分が生じた。 今後、コロナ禍があけたことによる研究会の増加により、次年度において使用する予定である。
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