2021 Fiscal Year Research-status Report
高精度の距離指標を目指した極めて暗いIa型超新星の爆発機構の解明
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21K13959
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川端 美穂 京都大学, 理学研究科, 研究員 (10847750)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 超新星 / Ia型超新星 / 親星 / 光学赤外線観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ia型超新星は宇宙論的距離における標準光源として利用されるなど、極めて重要な研究背景を持つ天体である。ところが近年になってIa型超新星と似たような特徴を示すにも拘わらず、極めて暗いIa型超新星が見つかってきた。本課題では爆発直後のこの特異なIa型超新星に注目する。初期から広い波長帯での測光分光観測から親星起源の元素や外層の温度進化を調べることで、親星の形態や爆発メカニズムへの制限を行う。さらに観測サンプルを増加させることで、これまで観測例が少なく議論ができなかった特異なIa型超新星の多様性の原因が親星、爆発メカニズムに関連があるか検証する。 主に京都大学3.8mせいめい望遠鏡と広島大学1.5mかなた望遠鏡を用いて、近傍銀河に出現するIa型超新星について可視近赤外線観測を実施した。これらの成果について、現在、詳細なデータ解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
爆発直後からのIa型超新星の可視近赤外線観測を2天体ほど実施することができた。また、解析環境を整備し、得られたデータを速やかに解析することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も引き続ぎ、爆発初期のIa型超新星のサンプルを収集する。昨年度データが得られた天体については、継続して観測を行い、後期からの観測から親星等への制限をつけることができるか試みる。初期に得られた結果と合わせてさらなる知見を得ることができると考える。
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Causes of Carryover |
本研究に必要な解析マシンやデータ保管のためのハードディスクを購入した。今後もデータが増えるため、状況に応じて解析環境を整える必要がある。翌年度以降、その様子を見ながら適宜、ハードディスク等の物品購入を行う。
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