2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13966
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
守屋 尭 国立天文台, 科学研究部, 助教 (90779547)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 超新星爆発 / 中性子星連星 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまず、中性子星合体に至る二重中性子星近接連星を形成すると考えられているウルトラ-ストリップト超新星(外層のほとんどが剥がされた状態で爆発する超新星)と、ウルトラ-ストリップト超新星と似た観測的性質を持つと予測された白色矮星の表層爆発をどのようにして観測的に区別が可能かをそれぞれの光度曲線やスペクトルの系統的な理論モデル構築を行うことで、ウルトラ-ストリップト超新星に特有な観測的特徴を見つけ出す必要がある。この目的を達成するため、今年度はウルトラ-ストリップト超新星の特徴を系統的に明らかにするための準備を行った。ウルトラ-ストリップト超新星の光度曲線やスペクトルのモデルを系統的に行うにはまず、いくつかのウルトラ-ストリップト超新星親星モデルを構築する必要がある。ウルトラ-ストリップト超新星親星を得るために必要な連星進化計算を取り扱うことのできる恒星進化計算コードMESAを用い、ウルトラ-ストリップト超新星に至る連星系中での恒星進化計算を複数の条件のもとで実施した。先行研究にならい、ヘリウム星と中性子星の近接連星を初期条件として計算を開始し、なるべく超新星爆発が起こる重力崩壊時に近い時期まで連星系進化を計算した。初期のヘリウム星の質量と、初期のヘリウム星と中性子星の距離を変化させて連星進化を計算することで、さまざまな質量や組成を持ったウルトラ-ストリップト超新星親星を得ることができる。この結果、ウルトラ-ストリップト超新星の光度曲線やスペクトルのモデルを系統的に行う準備が整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りウルトラ-ストリップト超新星の複数の親星計算を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
ウルトラ-ストリップト超新星と白色矮星の表面爆発の光度曲線とスペクトルのモデル構築を行い、両者の比較を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響が長引き海外の研究者の招へいや海外研究会への参加が困難となった。次年度は既に状況が改善しており、予定していた海外の研究者の招へいや海外研究会への参加を実施する。
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