2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K14260
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
Pang Yanbo 東京大学, 空間情報科学研究センター, 特任助教 (60870178)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人の流れ / エージェントシミュレーション / 強化学習 / 人間参加型機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、シミュレーションモデルと人間の知能を組み合わせて、シミュレーションの再現性と信頼性を向上するために仕組みを提案し、その進化したモデルを利用することで、高精度な人流データを作成することを目指す。 そのために初年度にあたる令和3年度は、まずベースとなるエージェントモデルの有効性と再現性を確認した。その検証内容は、次に2つである。 1)強化学習に基づくエージェントモデルを都市圏レベルへ拡張し、東京都市圏を対象とし、モデルの有効性を実証的に検討を行った。具体的には、東京都市圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)における移動者を対象とし、住宅位置、個人属性、昼間の主要行動場所、行動パターンによる精緻なエージェントモデルを構築し県を跨ぐ移動を再現した。その結果により、再現した都市圏レベルの人の流れデータはメッシュ人口分布とOD交通量二つの指標に対して高い相関を持つことがわかった。 2)大規模携帯電話動き統計データを観測値とし、パーティクルフィルターによる構築したエージェントモデルの精度を・性能を改善し、人流シミュレーションの再現性を高めることを行った。具体的には、静岡県裾野市と富山県南砺市の住民を対象としシミュレーションを行い、動き統計データのメッシュ人口分布による、時間ごとにエージェントモデルのパラメータを更新し、シミュレーションの結果を観測値に一致させた。その結果は、訓練したエージェントはデータ同化によってさらに精度を向上できることがわかった。 また、エージェントモデルによって全国規模の擬似人流データを試作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模携帯電話動き統計データによる、再現した都市レベルの人流の精度を確認できた。また、観測データに基づいて既存のエージェントモデルを改善するとが可能になった。一方、実際の人間の判断と評価を取り込みする仕組みは不十分であり、一般市民との連携によって、効率化するとともに、携帯電話データを使う場合と同等の精度を達成することを目標とする。
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Strategy for Future Research Activity |
既存の評価基準に人間の判断を加え、マクロレベルの指標だけではなく、個人レベルの再現性と合理性を評価基準に融合する。また、シミュレーションと人間のフィードバックによる、回を重ねるごとにシミュレーションの結果を向上させ、非集計な携帯電話データを使う場合と同等の精度を達成することを目標とする。
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Causes of Carryover |
昨年度に購入予定のデータを今年度に購入する予定。また今後の研究発展に必要な、統計や機械学習の書籍なども必要に応じて購入予定である。
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