2022 Fiscal Year Research-status Report
A Study on Cooperation and Integration system of Urban space planning for Sustainable compactification
Project/Area Number |
21K14315
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
尹 莊植 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 助教 (80803832)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 立地適正化計画 / 用途地域 / 都市計画マスタープラン / 土地利用規制 / 見直し / 都市計画制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、立地適正化計画策定を機に取り組んできた都市・地区レベルの様々な空間計画等との連携・調整における実際の経験をもとに、持続可能なコンパクト化に向けた都市の空間計画の連携・統合システムの提示を目指すものである。そのために、全国アンケート調査から連携・調整実態を把握した上で、先進事例の具体的な連携・調整内容、課題と工夫等を明らかにし、その可能性と課題の分析から連携・統合システムを具体化する。 2022年度は、2021年度の成果をもとに、立地適正化計画策定後における都市計画見直しや新たな関連政策の動きに注目し、具体的な事例の調査・分析を進めた。まず、用途地域以外の土地利用規制に注目したところ、区域区分の見直し、特別用途地区、特定用途制限地域、特定用途誘導地区の活用が確認できた。しかし、最も多くみられた区域区分の見直しの9割弱は、市街化調整区域の市街化区域への編入が主な内容であり、立地適正化計画策定後におけるコンパクト化の実現に向け最も強い制限を掛けられる市街化区域の縮小(逆線引き)の動きはまだ見られなかった(立地適正化計画策定前なら、舞鶴市の事例がある)。一方、非線引き都市が活用できる特定用途制限地域の見直しや活用については、住環境に支障を与える恐れのある建築物を制限する一般的な活用以外に、数は少ないものの、白地地域での商業施設の制限基準の強化や住居の制限を行った都市もみられ、都市機能及び居住の誘導を図ろうとする動きも確認できた。 これらの内容をまとめ、日本建築学会大会で口頭発表(1件)、同大会の都市計画部門研究協議会資料に投稿(1篇)を行った。また、2021年度の成果である立地適正化策定後における用途地域見直しの実態を日本都市計画学会の査読論文(1篇)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、2021年度の成果をもとに、立地適正化計画策定後におけるコンパクト化に向けた具体的な取り組み(都市計画制度および関連政策)の事例に注目し、調査・分析を進めた。そのうち、土地利用規制(用途地域以外)の見直しについては、先進的な取り組みを行っている自治体にヒアリング調査を実施しており、土地利用規制の見直しの実態の把握とともに、見直し時の論点を整理できた。一方、都市計画マスタープランの見直しとの関連については全体の傾向を確認したものの、分析が不十分であるため、2023年度には、具体的な事例に注目しながら、論点を整理していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、前年度までに整理できた論点をもとに、立地適正化計画をベースに都市計画マスタープラン等との具体的な連携事例を対象に分析を進める。具体的には、2022年度の調査により確認できた立地適正化計画策定後の都市計画マスタープランを見直した95都市(2023年4月1日基準)を対象に、将来都市構造図の比較、立地適正化計画内容の反映状況、誘導区域との関係などを即地的に分析するとともに、担当者へのヒアリング調査から、具体的な議論と課題について明らかにする。さらに、これまでの成果をもとに持続的なコンパクト化に向けた都市の空間計画の連携・統合システムの可能性を考察しつつ、システム像を具体化していく。
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Causes of Carryover |
2021年度に生した次年度使用の予算を2022年度にもすべては使用できなかったため、次年度使用が生じた。今年度が最終年度のため、現地調査・ヒアリング調査をより多く実施するとともに、研究発表及び論文投稿を多く行う方向で計画内容を変更し、そこに充てる予定である。
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