2022 Fiscal Year Annual Research Report
外部応力に応答する柔軟なグラフェン系触媒材料の創成
Project/Area Number |
21K14490
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉井 丈晴 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70882489)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 柔軟グラフェン多孔体 / 応力応答性 / 固体触媒 / 単原子金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
固体触媒において近接した活性点は,その活性点間距離に応じた協奏的な作用による,特異な触媒機能発現が期待される.本研究では,柔軟なグラフェン多孔体の触媒材料としての利用可能性に着目し,応力により活性点間距離を能動的に制御可能な新規触媒反応システムを構築することを研究目的とする.2021年度はグラフェンネットワークで構成された3次元規則性炭素構造体(Ordered carbonaceous framework, OCF) について材料設計・合成と特性評価を行い,単層のグラフェンで構成されていることに由来して柔軟性を有することが見出された.2022年度は,OCFを用いた柔軟性を有する触媒系構築を目指し,さらなる材料開発を行った.具体的には,柔軟なOCF材料系を触媒応用するために,シングルサイト金属種の種類拡張を行った. OCFは重合部位を配したポルフィリン類を前駆体として熱処理を施すことで得られ,元の結晶構造を反映した高い規則性が特徴である.この際,前駆体であるポルフィリンの中心金属種の種類を変更することで,OCF中の金属種拡張が狙える.しかしながら,OCFを形成できるかどうかは金属錯体の熱安定性に依存し,これまでNiおよびFeに限定されてきた.そこで,8つの重合部位を有するポルフィリン前駆体を用い,できるだけ強固なフレームワークを構成することにより,種々の金属種の導入を試みた.その結果,Ni, Feのみならず,Co, Cuを導入したOCFの合成に初めて成功した.さらに,Ni, Co, Cu種では互いに同じ分子結晶構造を有することを見出し,これを利用してCo, Cu二元金属含有OCFの合成にも成功した.STEM-EDXなどのキャラクタリゼーション結果から,CoとCuは偏析・凝集することなく単原子状で高分散していることが分かった.以上の研究結果を2報の原著論文として報告した.
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[Presentation] Synthesis and electrocatalysis of ordered carbonaceous frameworks from metalloporphyrins with four ethynyl groups2022
Author(s)
Koki Chida, Takeharu Yoshii, Mao Ohwada, Yuichiro Hayasaka, Joe Komeda, Ryota Sakamoto, Jun Maruyama, Kazuhide Kamiya, Masataka Inoue, Fumito Tani, Hirotomo Nishihara
Organizer
Post Symposium of TOCAT9, 60th Aurora seminar, The 9th International Symposium of Institute for Catalysis
Int'l Joint Research
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