2021 Fiscal Year Research-status Report
冷却イオントラップ分光法による分子内プロトン移動反応の微視的機構の解明
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21K14585
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
平田 圭祐 東京工業大学, 理学院, 助教 (80845777)
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2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | プロトン移動 / 冷却イオントラップ赤外分光法 / グロータス機構 / 重水素 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
1) プロトン付加分子の気相中でのプロトン付加位置の決定
複数のプロトン付加位置を有するニコチン、ベンゾカイン、p-アミノ安息香酸の気相中でのプロトン付加位置を冷却イオントラップ赤外分光法を用いて明らかにした。決定したプロトン付加位置はいずれも溶液中で支配的なプロトン付加位置とは異なることが明らかになった。
2) 水和クラスターにおけるプロトン付加位置の決定
気相中で安定なプロトン付加位置から溶液中で支配的なプロトン付加位置へプロトンが移動する転移点を調べるために、水分子の個数を制御できる気相技術を用いて水和クラスターの赤外スペクトルを測定した。その結果、上記のいずれの分子でも水分子2～6個といった少数の水分子数で溶液中で安定なプロトン付加位置へ転移することが明らかになった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験測定は滞りなく進展している。水和クラスターのプロトン付加位置を示す赤外振動バンドが水のOH伸縮と重なってしまうという問題があったが、極低温下で水分子を解離させることでプロトン付加体の赤外バンドのみを抽出することに成功した。
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| Strategy for Future Research Activity |
プロトン付加位置が水分子の個数により変わる分子群を用いてプロトン移動のメカニズムを明らかにする。すなわち、プロトン付加位置を重水素でラベリングした分子に水分子を2～6個付加し、プロトン移動反応を誘起する。赤外分光と量子化学計算を組み合わせることで、重水素の位置を特定し、プロトンがどのようにして移動するのかその経路を追跡する。
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| Causes of Carryover |
プロトン付加位置を制御するための実験装置の改良が必要であることが判明し、昨年度は装置改良の準備を進めた。装置改良のための経費を次年度に計上した。
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