2023 Fiscal Year Annual Research Report
孤立空孔と蓋状アタッチメント触媒の協同作用による精密有機合成
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21K14641
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
竹澤 浩気 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任講師 (60813897)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 自己組織化 / 分子認識 / イオン認識 / 遷移金属触媒 / 金属酵素 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに開発した蓋状ヘキサアニオンを用いて触媒活性を持つ蓋状アニオンを合成し、金属酵素様反応の開発を行った。ホスフィン部位を中心に持ちホスホナートを脚部に持つ蓋状ヘキサアニオンに対し酢酸パラジウム(II)を加えると、定量的に錯体を形成した。この錯体は再結晶により単離することができ、鈴木-宮浦カップリング反応に対する良い触媒活性を発現した。モデル反応として2-ナフチルブロミドと2-ナフチルボロン酸の鈴木-宮浦カップリングを選び、各種条件について収率を比較した。その結果、かご型錯体が存在する場合に存在しない場合に比べて顕著な反応性の低下が観測された。この結果はパラジウム結合蓋状アニオンがかご型錯体開口部との相互作用により立体的な保護効果を受け、基質の近接が非効率になったことを示している。この活性低下の効果は低温ほど大きくなり、この仮説を補強している。これは、かご型錯体外部から基質が近接しにくいことも示しており、今後は空孔に内包された基質のみを反応させられる、基質・官能基選択的な反応へと結び付けられると考えられる。
また、ポリアミン系配位部位を中心に組み込んだトリアニオンについても同種の反応を試した。中心に二価の銅イオンを配位させた錯体について、ベンジルアルコールの酸化反応を触媒することが分かった。この系についてはかご型錯体と銅結合蓋状アニオン両方が存在する場合にのみ酸化反応が進行し、複合体形成による反応促進が観測された。
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