2022 Fiscal Year Annual Research Report
C(sp3)-H活性化反応を鍵としたRhodatinの全合成と誘導体合成法の構築
Project/Area Number |
21K14791
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
河村 篤 信州大学, 先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所, 助教(特定雇用) (80866377)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 天然物全合成 / C-H活性化 / acorane骨格 / 誘導体合成 / 水素原子移動 (HAT) / 可視光レドックス触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホシアンズダケ由来抗HCV活性メロテルペノイド Rhodatin は、スピロケタール構造とアコラン骨格由来のスピロ構造が連続することで高度に縮環したテルペノイド化合物である。本研究では、上記2つの構造に由来する不斉点を立体、位置選択的な可視光レドックス触媒-HAT ハイブリット系 C(sp3)-H 結合活性化反応およびタンデム環化反応の2つの鍵反応により構築し、誘導体合成を視野に入れた収束的な Rhodatin の全合成を目的とした。 C(sp3)-H 結合活性化反応の当該基質での反応性を検証するため、モデル化合物の合成、および合成したモデル化合物を用いたC(sp3)-H 結合活性化反応の反応条件検討を行うこととした。モデル化合物を合成する過程で、(1) C環とD環の連結に伴うアルキル化反応、(2) C(sp3)-H 結合活性化反応における活性種となるアミド HAT 部位の導入、以上の2点の達成が困難であることが明らかになった。これらの問題点は、Rhodatin 合成時にも障害となることから、モデル化合物での問題改善に着手した。C環とD環の連結に伴うアルキル化反応に関しては、合成ルートを変更し、C環およびD環部位を別途合成し後に連結する、収束的な合成手法を採用することでその問題を解決した。HAT 部位の導入については、HAT の構成要素であるアミノエタノールを先に基質に導入し、その後アミド化することで問題を解決した。上記の問題を解決後、鍵反応であるC(sp3)-H 結合活性化反応の条件検討を行い、アコラン骨格由来のスピロ構造の構築を試みた。現状、低収率ではあるものの反応の進行を確認した。今後、更なる反応条件の検討が必要である。
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