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2023 Fiscal Year Research-status Report

イモリの実験進化発生学による多様な指形態創出原理解明

Research Project

Project/Area Number 21K15145
Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

松原 遼  鳥取大学, 医学部, 助教 (90868514)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords実験進化発生学 / 有尾両生類 / 四肢形態形成 / Tbx3 / Shh / Tbx4/5 / 形態的多様性
Outline of Annual Research Achievements

本研究はイモリを用いた実験発生学により、進化によって生じた指形態の多様性の発生メカニズムを明らかにすることを目的としている。イモリは前肢と後肢で異なる本数の指数を持つことから、イモリでShh発現の変化によって指本数の変化がもたらされるのか(研究内容1)、さらにShh発現を調節可能な因子は何か(研究内容2)、を明らかにするため解析を進めた。
研究内容1に関しては昨年度までに、イモリ前肢・後肢のShhとHoxd13の発現比較解析、Hoxd13発現誘導実験、Shhの機能阻害実験等を試みた。今年度はより詳細な発現解析として、Shhノックイン(KI)イモリの作製を進め、Shh発現細胞が追跡可能な個体を作製した。その結果、前肢と後肢でShh発現細胞が寄与する指の本数に大きな違いは見られなかった。このことはShhシグナルを受け取った細胞の振る舞いに前肢と後肢で差があることを示唆している。
研究内容2に関して、昨年度までにShhの制御因子の一つであるTbx3の遺伝子機能欠損イモリ(変異体)を作製し、前肢と後肢の指で異なる表現型が生じることを明らかにした。この変異体においてShh発現は、前肢では野生型に比べて発現低下(もしくは早期発現消失)、後肢では発現延長が起きることを明らかにした。今年度はTbx3変異体の前肢・後肢間で表現型が異なる要因を明らかにするため、他のTbx遺伝子とTbx3との関係性に着目して解析を行なった。その結果、前肢・後肢それぞれで特異的に発現しているTbx5・Tbx4とTbx3との関係性が、Tbx3 変異体で前肢・後肢間で異なる表現型が生じる要因となる可能性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新規解析手法を導入するための準備に時間を要した。研究内容1に関してはShh KI個体の作出効率が低く、それを改善するための条件検討が必要であった。また、研究内容2において、解析に使用する発現コンストラクトの作製に想定以上の時間を要した。

Strategy for Future Research Activity

研究内容1に関して、KIによる解析を今後も進めると共に、系統化によって再現性の高いデータを得る。また、新規解析手法として感度の高いHCR(hybridization chain reaction)in situ法を導入し、これまでに得られている発現解析結果をより確かなものとする。さらに、指形態に変化をもたらすと考えられる候補遺伝子(Shh、Gli1、Hoxa13+Hoxd13)の発現誘導可能なトランスジェニックの系統作出について、継続して進める。
研究内容2に関しては、再現性を得るため実験の回数を重ねることに注力する。さらにTbx3のパラログであるTbx2も加えたTbx2/3/4/5の相互作用を明らかにするため、多重変異体の作製と解析、培養細胞とShhの制御配列を用いたTbx転写因子間の相互作用解析を行なう。

Causes of Carryover

本年度は新規解析技術の導入に想定以上に時間を要したため、使用額が少なくなった。また学会等への参加も少なかったことで、旅費の出費が想定以上に抑えられたことが、次年度使用額が生じた主たる要因である。次年度は新規解析技術を本格的に活用し、再現性を含めた結果を得る必要があり、より多くの研究費が必要とされるため、次年度使用額によって研究を発展させる。また、次年度は複数学会への参加(国際学会含む)を予定しているため、それら旅費において次年度使用額を活用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023 Other

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Presentation] Reintegration mechanisms of joint regeneration in frog2023

    • Author(s)
      Haruka Matsubara
    • Organizer
      The 56th Annual Meeting of the Japanese Society of Developmental Biologists
    • Int'l Joint Research
  • [Remarks] researchmap

    • URL

      https://researchmap.jp/haruka-matsubara

URL: 

Published: 2024-12-25  

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