2021 Fiscal Year Research-status Report
喘息における炎症収束機構の解明とその制御を基盤とした難治性喘息治療法の開発
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21K15261
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
成田 知也 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (10834765)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 喘息 |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症が慢性化するメカニズムのひとつとして炎症収束機構の破綻が想定されているが、アレルギー性気道炎症における炎症収束の詳しいメカニズムはわかっておらず、実際に喘息において炎症収束機構が破綻しているかどうかも不明である。申請者はB7ファミリーに属するButyrophilin-like9(Btnl9)が喘息の炎症収束に関わる可能性を見出した。そこで、本研究はBtnl9の炎症収束における生理学的役割を明らかにするとともに、Btnl9が炎症を収束するメカニズムを分子レベルで解明することを目的とした。本年度は標的細胞とその細胞の特異的マーカー分子の同定を試みた。セルソーターによりBtnl9の標的細胞と仮定される細胞を単離し、次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子発現解析を行った。そして、得られたデータを解析してBtnl9の標的細胞と仮定される細胞に特異的に高く発現している遺伝子をいくつか同定した。これらの発現をタンパク質レベルで確認するためフローサイトメーターによる解析を行なったが、同定した多くの遺伝子はタンパク質として検出することができなかった。また、いくつかはタンパク質として検出できるものがあったものの、発現の特異性の観点から標的細胞のマーカーとなるような分子ではなかった。今後、さらなる解析を続け標的細胞と特異的マーカー分子の同定を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画通りに実験を行なったが、本年度中に標的細胞に特異的なマーカー分子を同定することができなかったため。また、BALB/c背景への戻し交配がまだ完了しておらず、BALB/c背景での解析ができていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
アレルギーを起こしやすいBALB/c背景での解析を行うため、ノックアウトマウスのBALB/c背景への戻し交配を進めている。
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Causes of Carryover |
昨今の状況を考慮して学会の現地参加を取りやめたことで旅費が必要なくなったため。旅費の一部は物品費として使用した。次年度使用額は次年度の旅費として使用する予定である。
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