2022 Fiscal Year Annual Research Report
新しい疼痛制御分子「リン脂質生合成酵素」を標的にしたドラッグリポジショニング研究
Project/Area Number |
21K15309
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
山本 将大 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 特任研究員 (50825693)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ドラッグリポジショニング / 生体膜リン脂質 / リゾリン脂質アシル転移酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性的な炎症や神経系組織の損傷によって病態形成される難治性疼痛は,モルヒネでさえも奏功しないコントロール不良な疾患である。申請者は近年,難治性疼痛モデルマウスを用いた解析から,生体において「脂質の質」を管理するリゾリン脂質アシル転移酵素(LPLAT)ファミリー遺伝子のうち,複数の遺伝子改変マウスで難治性疼痛の症状が軽減する可能性を見出した。本研究では,既承認薬ライブラリーを用いたLPLATsの阻害薬スクリーニングを行い,難治性疼痛に対する新規治療薬候補の探索と病態モデルマウスを用いた有効性の検証を行うことを目的としている。本年度は,昨年度に選定した既承認医薬品LPCAT2の新規阻害薬候補4化合物について培養細胞系での評価を実施した。RAW264.7細胞に化合物を前処理したところ,3化合物ではATP刺激によるPAF(LPCAT2の合成産物)産生量を部分的に抑制できた。 LPCAT3阻害薬のスクリーニングでは,1stスクリーニングで選出した61化合物について評価を進めた。in vitroにおける2ndスクリーニングにおいて,低濃度でも阻害活性を発揮した8化合物をさらに選定し,IC50を算出した。既存の阻害剤であるチメロサールのIC50が0.375 uMであったのに対し,4化合物は3.1-7.4 uM,4化合物が0.40-0.87 uMのIC50であった。もっともIC50の低い化合物について,培養細胞系でさらに評価を行なったが,チメロサールがアラキドン酸含有リン脂質(LPCAT3の合成産物)の新規合成を阻害したのに対し,候補化合物では阻害活性は認められなかった。 今後,in vivoでの有効性評価へ進む前に,培養系でのより詳細な評価が必要である。
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Research Products
(5 results)