• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

Analysis of the novel intracellular signaling pathways for sleep/wake regulation

Research Project

Project/Area Number 21K15339
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

北園 智弘  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 研究員 (40826517)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords睡眠 / 覚醒 / シグナル伝達経路 / キナーゼ / プロテオーム
Outline of Annual Research Achievements

本研究では申請者が所属する研究室において近年発見された新規睡眠制御分子SIK3の上流、および、下流のシグナル伝達経路の全容を明らかにすることを目的としている。
本年度、申請者は睡眠覚醒制御機構におけるSIK3の上流制御因子の候補として、セリンスレオニンキナーゼLKB1に着目した。LKB1はSIK3キナーゼドメインのアクティベーションループ状に存在するスレオニン残基(T221)をリン酸化し、このリン酸化によってSIK3のキナーゼ活性が活性化する。LKB1が睡眠覚醒制御に関与しているかを検証するために、LKB1ノックアウトマウスを作製し、脳波・筋電図測定による睡眠測定を行った。その結果、LKB1ノックアウトマウスは顕著な覚醒時間の増加と睡眠要求の減少を示した。次にこの表現型がSIK3を介したものであるかを検証するために、LKB1ノックアウトマウスにおけるSIK3上のT221に疑似リン酸化変異(グルタミン酸置換)を導入したマウスを作製し、脳波・筋電図測定による睡眠測定を行った。その結果、この変異型マウスでは睡眠要求の減少が回復したことから、睡眠覚醒制御機構において、LKB1はSIK3の上流で機能していることが確かめられた。
また、昨年度までにin vitro基質スクリーニングを用いて、睡眠覚醒制御機構におけるSIK3の基質を探索した。本年度はin vitro基質スクリーニングで見出したSIK3新規基質候補のうち、SIK3認識配列との相同性の高い配列を持つ有力候補のタンパク質について、SIK3によるリン酸化が認められるかを検証するキナーゼアッセイの準備を進めた。来年度中には基質の同定が完了する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

概ね計画通りに進展している。
本年度は前項に記載したように、睡眠覚醒制御機構において、LKB1がSIK3の上流で機能していることを、マウスの脳波・筋電図測定による睡眠測定によって示したが、現在この結果を論文として投稿中である(Staci K., Kitazono T., et al., 投稿中)。また、SIK3の下流シグナル伝達経路についても有力な候補を見出しており、これらの検証のための変異型マウスや実験系の準備がほぼ完了している。

Strategy for Future Research Activity

SIK3上のLKB1リン酸化部位であるスレオニン残基(T221)はCaMKK2βとMAP3K7という2種類のキナーゼも標的としている可能性が先行研究により示唆されている。本年度はこれらの2種類のキナーゼのノックアウトマウスについて睡眠測定を行い、これらのノックアウトマウスで睡眠異常が見られた際には、これらのノックアウトマウスのT221に疑似リン酸化変異を導入し、表現型が回復するかを検証する。これらの解析を行うことで、睡眠覚醒制御機構において、どのキナーゼがSIK3の上流で機能しているかを検証する。また、先行研究により、T221のリン酸化レベルは睡眠遮断を行うことで増大することが知られており、この機構が睡眠要求の制御に重要であると申請者は考えている。そこで、このリン酸化レベルの増大にどのキナーゼが関与しているのかを検証するため、LKB1、CaMKKβ、MAP3K7のノックアウトマウスを睡眠遮断した際のT221のリン酸化レベルを、質量分析計を用いて解析する。
一方、申請者はin vitro基質スクリーニングを行い、SIK3の下流ではRhoA GTPaseが機能している可能性が高いことをこれまでに見出している。本年度はこの可能性を検証するため、Rhoの上流因子であるG12の共役型デザイナーGPCR(G12-DREADD)発現マウス、および、恒常活性型RhoA発現マウスの睡眠測定を行い、睡眠異常が生じるかを検証する。これと並行して、恒常活性型RhoAやドミナントネガティブRhoAを、ウイルスインジェクションを用いてマウス全脳で発現させた際の睡眠行動の解析も行う。これらの結果を統合することで、RhoAが睡眠覚醒制御機構に関与しているかを検証する。また、前項に記載したキナーゼアッセイを完遂する。

Causes of Carryover

コロナ禍により学会がオンライン開催となり、確保していた旅費の使用が見送られた。また、同様にコロナ禍により購入、移譲委託予定だったマウスの搬入が困難になったことから、当初予定していたしていた使用額に到達しなかった。これらについては、次年度のマウス購入や試薬等の購入に使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 恒常的睡眠要求を制御する新規シグナル伝達経路の探索2021

    • Author(s)
      北園智弘、堀田(平島)範子、岩崎加奈子、藤山知之、船戸弘正、柳沢正史
    • Organizer
      第44回日本神経科学大会
  • [Presentation] 「眠気」を制御する新規シグナル伝達経路の探索と解析2021

    • Author(s)
      北園智弘、堀田(平島)範子、岩崎加奈子、藤山知之、船戸弘正、柳沢正史
    • Organizer
      第94回日本生化学大会
    • Invited

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi