2022 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱癌において慢性腎臓病 (CKD) が担う分子機能的役割の解明
Project/Area Number |
21K15506
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小畠 浩平 広島大学, 病院(医), 助教 (10749998)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | CKD / 筋層浸潤性膀胱癌 / 筋層浸潤性膀胱癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
CKDモデルマウス(片側腎摘+片側腎阻血モデル)を既報に準じて作成した。左腎阻血21-23分ののち、回復期間を2週間設けた後、右腎摘を麻酔下に行った。片側腎摘のみのマウス(シャムマウス)をコントロールとした。3か月自然経過観察した後、野生型、CKDモデルマウス、コントロールマウスそれぞれ額下静脈採血を施行した。4℃、over nightの後spin-downして上清を採取し、BUN・Cre値を測定した。その結果、野生型、コントロール、CKDモデルの順にCre値が上昇している事が判明した(p = 0.0462)。 CKDマウス(2匹)とコントロールマウス(1匹)の尿路上皮を採材し、RNA-sequencingに提出した。コントロールと比較してCKDモデル2匹それぞれにおいて相対的発現値の上昇している遺伝子を調査したところ、上位30位のうち17遺伝子が膀胱癌または他癌腫において発がんまたはがんの進行と関連していることが判明した。一方でRNA-sequencing結果を用いてGene set enrichment analysisを施行したところ、CKDモデルで正に濃縮されており、NOM p < 0.05およびFDR-q <0.25を満たすgene setは3種類のみであった。 CKDモデルマウスで発現が上昇した特定の遺伝子がコードするタンパクについて、実臨床検体を用いて免疫染色を行うため、当科で筋層浸潤性膀胱癌に対して膀胱全摘除術を施行した症例(全て術前抗癌化学療法未施行)の組織検体60例の薄切を用意した。これら検体を用いて免疫染色を行い、患者背景因子および術前腎機能と免疫染色結果を比較検討する予定である。
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