2023 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌の発育進展におけるミトコンドリア代謝に注目した革新的治療の開発
Project/Area Number |
21K15515
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
恩田 真二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10459620)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オートファジー / マイトファジー / ライソゾーム / 酸性βグルコシダーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
54種類のライソソーム関連遺伝子をsiRNA法でノックダウンできるライブラリーをデザインした。ヒト肝細胞癌細胞株 (HuH-7, Hep-3B) を用いて、このライブラリーを用いてライソソーム関連遺伝子をノックダウンし、細胞増殖、浸潤、遊走能を評価した。いずれの細胞株でも細胞増殖抑制を有意に誘導したライソソーム膜タンパク質であるPARK9に着目した。siRNA法を用いたPARK9ノックダウン条件下で、PARK9タンパク質発現量、細胞増殖能を評価した。さらに、鉄、脂質過酸化、活性酸素種 (ROS) の蓄積、ミトコンドリア機能を評価した。ヒト肝細胞癌細胞株においてPARK9ノックダウンによりPARK9タンパク質の発現量は低下し、細胞増殖能、浸潤能、遊走能の抑制効果を認めた。PARK9ノックダウンにより電子顕微鏡、蛍光顕微鏡でミトコンドリアの蓄積を確認した。また、ミトコンドリア膜電位の低下とミトコンドリア選択的オートファジーであるマイトファジー活性の低下を確認した。ミトコンドリア内における鉄、脂質過酸化、ROSの蓄積をフローサイトメトリーと蛍光顕微鏡で確認した。ヒト肝細胞癌細胞株において、PARK9活性抑制によりミトコンドリア機能不全が誘導され、鉄代謝異常が生じることにより、フェロトーシスが誘導されることが示唆された。今後はさらにPARK9と薬剤耐性の関与に関して、肝細胞癌に対する分子標的治療薬であるレンバチニブの投与下で、薬剤のPARK9タンパク質発現量を評価する。最終的に、PARK9をノックダウンしたレンバチニブ耐性肝細胞癌細胞株において、レンバチニブの耐性を克服することを確認する。
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