2022 Fiscal Year Research-status Report
Establishment and clinical application of intratumoral heterogeneity analysis in brain tumors
Project/Area Number |
21K15521
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Hospital Organization Tokyo Metropolitan Komagome Hospital |
Principal Investigator |
大谷 亮平 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立駒込病院(臨床研究室), 脳神経外科, 医長 (30786968)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 腫瘍内多様性 / 脳腫瘍 / エクソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現状では研究レベルでしか行われていない腫瘍内多様性の解析を一般臨床で行える方法として確立すること、およびその臨床的意義を明らかにすることである。腫瘍内多様性解析のための検体採取に関して、我々が開発した新たな腫瘍サンプラーを用いて得られた検体から、空間的に離れた部位、病理学的に異なる部位を切り出し、網羅的遺伝子変異解析を行うことで腫瘍内多様性の解析を行った。その結果を臨床的経過と共に症例間で比較検討することで、その臨床的意義を明らかにするべく、現在症例を蓄積しているところである。具体的には、以下のように解析を進めている。a)腫瘍検体採取:新規腫瘍サンプラーによる検体採取を行った。採取箇所は、腫瘍の中心部で表層部から深部に至る全層、腫瘍前端部、後端部、外側端部、内側端部を基本とした。各部位で得られた2本の円柱状の検体は、1本は病理用としてホルマリン固定し、もう1本は遺伝子解析用として凍結保存した。b)病理学的多様性の解析:病理学的解析用の検体は、円柱の全長を俯瞰できるように長軸方向でスライスし、HE染色、免疫染色を行って評価した。c)遺伝学的多様性の解析:腫瘍内の各部位からDNAを抽出し、エクソームシークエンス解析を行うことで、各部位の体細胞変異を同定した。d)腫瘍内多様性解析の臨床的意義の解明:得られた各部位の体細胞変異のデータより、各症例毎の腫瘍内クローン進化の系統樹の作成、腫瘍内多様性の程度の症例間比較を行った。腫瘍内多様性の程度は、統計学的に数値として算出した上で症例間で比較し、治療抵抗性および予後との相関、病理学的悪性度との相関を評価した。本研究により、日常臨床における腫瘍内多様性の解析が確立され、その臨床的意義が明らかとなれば、今後の脳腫瘍の治療戦略に大きな影響を与え、予後改善への貢献が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、症例を蓄積と解析が進んでいる。これまで、グリオーマ症例8例、転移性脳腫瘍症例5例の解析が完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も症例の蓄積と解析を行うとともに、臨床情報と対比した症例間での比較検討も並行して進めていく。今年度中に結果をまとめて、発表準備を行っていく。
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Causes of Carryover |
入札価格や振込経費などの予測が難しく、前年度の未使用額が19918円生じた結果、次年度使用額が生じた。
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