2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K15561
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
河野 由美子 関西医科大学, 医学部, 講師 (10598957)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 放射線塞栓療法 / RI標識リピオドール |
Outline of Annual Research Achievements |
invivo実験で新たにHC-4細胞(ヒト由来肝癌)を移植した腫瘍モデルラットの作成を試みた。F344/NJcl-rnu/rnuマウス(雄、16-19週齢)に対し大腿の筋肉内に1.5*10^7cell/側を注入し、片側モデル4匹、両側モデル4匹へ移植。飼育中、目視とUSにて腫瘍生着を観察した。腫瘍移植が確認できたものは片側モデルで1匹、両側モデルで3匹で、腫瘍移植の成功率は50%と低かった。両側モデル(n=3)では片側腫瘍にcold lip.での動脈塞栓治療を行い、片側モデル(n=1)ではガンマセルにて腫瘍への9Gyの外照射を行い、腫瘍サイズおよび全身状態の観察を行った。両側モデルでは治療30分後に過麻酔のため1匹死亡したため、病理解剖を行った。残り2匹を治療後観察を行ったところ、治療後1週間の時点で、治療側の腫瘍増大が抑制、わずかに縮小する個体もあった。しかし、未治療側の腫瘍増大と体重減少もみられ、人道的エンドポイントにより治療後2週間で安楽死となった。片側モデルでは治療腫瘍は治療後の体重減少は見られなかったが、腫瘍増大が見られ、人道的エンドポイントで治療後2週間で安楽死となった。 上記のHC-4モデルすべてで、病理解剖を行い、全ての腫瘍生着を確認した。腫瘍周囲や腫瘍内に血管はあるが類洞形成は乏しく、中分化相当の肝癌で、壊死や部分的に肉腫様の脱分化多血生の腫瘍であることが確認できた。また、腫瘍動脈塞栓治療直後の解剖にて、腫瘍で周囲血管にリピオドール塞栓によると思われる拡張進展された細動脈が確認できた。安楽死後の解剖ではこれらの像は見られなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Lu-177標識リピオドールでのでの塞栓実験を予定していたが、モデル動物の作成に時間がかかってしまったことと、研究者の妊娠、出産が重なったため実践できていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
生着率は低いがHC-4モデル作成もできたため、今後はAH109TC、HC-4の動物モデルを用いて、Lu-199標識lipiodolを含めた塞栓実験および外照射実験で、抗腫瘍効果のデータを集めたい。
|
Causes of Carryover |
研究者の妊娠のため、放射線を取り扱う実験を延期したため。復帰後に実験再開の予定である。
|