2022 Fiscal Year Research-status Report
獲得ゲノム変異に注目した血漿遊離DNAによる全脳照射の効果予測
Project/Area Number |
21K15816
|
Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
平野 靖弘 獨協医科大学, 医学部, 講師 (50593191)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 髄膜播種 / 全脳照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題の対象症例である肺腺癌の髄膜播種に全脳照射を施行した症例について2022年米国放射線腫瘍学会学術大会でポスター発表した。 国立がん研究センター東病院で2013年6月から2021年6月までの期間に肺腺癌の髄膜播種に全脳照射を施行した80症例の予後について後方視的に検討した。 79症例(98.8%)は脳脊髄液細胞診は施行されず画像所見により髄膜播種と診断された。全生存期間は全脳照射開始日を起算日とし、あらゆる原因による死亡日までの期間と定義した。パフォーマンスステータス、年齢、性別、EGFR変異とALK転座の有無、脳転移の有無、頭蓋外転移の有無、原発巣制御、全脳照射施行前の化学療法施行の有無を予後因子として検討した。 観察期間中央値(範囲)は5.2か月(0.5-56.5か月)であった。全生存期間中央値(範囲)は6.2か月(95%信頼区間; 4.4-12.4か月)であった。EGFR変異陽性またはALK転座陽性の群が遺伝子変異陰性の群より有意差をもって予後が良好であった。また髄膜播種に対する全脳照射施行例の予後因子と全生存期間の関連については、単変量解析でパフォーマンスステータスが0-1、原発巣制御の群においても有意差をもって予後が良好であった。 多変量解析ではパフォーマンスステータスが0-1、EGFR変異陽性またはALK転座陽性の群で有意差をもって予後が良好であった。 髄膜播種に対する全脳照射後の予後は不良であるが、パフォーマンスステータスが0-1、原発巣制御、EGFR変異陽性またはALK転座陽性の患者において長期予後との関連が認められた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年10月に国立がん研究センター東病院から獨協医科大学埼玉医療センターへ異動となった。獨協医科大学埼玉医療センターでの肺腺癌の中枢神経系転移症例への全脳照射施行症例が少なく、研究課題に必要な症例数を確保できない可能性が高い。
|
Strategy for Future Research Activity |
獨協医科大学埼玉医療センターだけでは症例集積が限られるため、多施設共同研究とすることを検討している。頭蓋外病変が制御された肺腺癌中枢神経系転移症例に対し全脳照射を施行した症例を倫理審査承認後に登録し、全脳照射前および全脳照射後に血液を採取し、DNAを抽出する。
|
Causes of Carryover |
2021年10月に国立がん研究センター東病院から獨協医科大学埼玉医療センターへ異動となり、職場環境が変わった。獨協医科大学埼玉医療センターでは研究課題を行うための症例数を満たせない可能性があることが判明し、次年度使用が生じた。今後、多施設共同研究を行うことを検討している。 課題研究では頭蓋外病変が制御された肺癌中枢神経系転移に対し全脳照射を施行した症例について、全脳照射前および照射後に血液採取し、DNAを抽出し多数の遺伝子異常の推移を評価する必要がある。助成金はGurdant360などの遺伝子パネルに使用することを計画している。
|
Research Products
(1 results)