2022 Fiscal Year Research-status Report
患者リンパ液とフローモデルを使用したリンパ系IVR用塞栓物質の網羅的探索
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21K15840
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
雑賀 厚至 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10836175)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ流フローモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ流を再現するポンプ装置について: 末梢リンパ管 0.03ml/分という微細なリンパ流 (拍動流)を既製品であるフヨー製のPF-1や上位機種のEC-1では再現が困難ということがメーカーとの検討の中で判明したため、これらに改良を加えたオリジナル商品が必要であった。メーカーに依頼し、この開発に約半年を要したが、2022年度中に納品にこぎつけた。これによって、0.023ml/分から0.092ml/分の間の流量を設定することが可能になった。 リンパ流の"閉塞"に関する評価について: 流量計での評価を考えたが、メーカーとのディスカッションを通して、塞栓物質である液体が直接流量計内部を流れると、壊れる可能性が大きいということが判明した。このため、圧力計の使用が妥当との考えに至った。これはダイヤフラム部が壊れても交換可能であり、コストダウンにつながるためである。リンパ管モデルは硬質チューブが推奨されるため、末梢リンパ管相当の外径: 1mm; 内径: 0.5mm、中枢リンパ管=胸管相当の外径: 3mm; 内径: 2mmといったサイズを揃え、デモ機を使用して、予備実験を進める段階に入った。 実際の患者リンパ液に関しては、ここ数ヶ月でリンパ漏の症例数が増えてきており、件数の確保が見込める公算が高まった。引き続き、関係各所に周知を進め、リンパ回路が使用可能になった際に速やかに実験に移行できるようにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前述のごとく、微細なリンパ流の再現するためのセッティングに大半の時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ流の再現するための回路の完成まであと少しである。圧力計による測定がリンパ流の"閉塞"として解釈できるか、予備実験を行う。客観的データを持って"閉塞"とできれば既報論文に対して優位性を持つ。 回路が完成次第、実際の患者リンパ液を使い、実験を進めるが、検体が確保できるよう、各科に周知、依頼をかけていく。
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Causes of Carryover |
研究進捗が遅れており、物品購入自体もずれ込んでいる。今後の購入物品予定は当初の計画と概ね同様である。
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