2023 Fiscal Year Research-status Report
患者リンパ液とフローモデルを使用したリンパ系IVR用塞栓物質の網羅的探索
Project/Area Number |
21K15840
|
Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
雑賀 厚至 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10836175)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | リンパ流フローモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ回路の設定について: ポンプ装置と回路の設定については試行錯誤が必要であった。当初考えていたリンパ管モデルの硬質チューブはコネクターがないため、圧力計との接続が困難ということであった。そこで臨床で使用しているニプロエクステンションチューブ (PVC)に変更した。内腔: 1.1mmであり、当初考えていた末梢リンパ管相当 (外径: 1mm; 内径: 0.5mm)に近いため許容した。圧力計と延長チューブの間にYコネクターを介在させることで、塞栓物質を注入するためのカテーテル (計画通りの小児用カテーテル)の挿入が可能となった。
リンパ流の"閉塞"に関する評価について: リンパ回路が閉塞したと定義するための、圧力が一体どれくらいなのかをポンプ作成を依頼したフヨー株式会社と共同で検討した。ポンプを動かしながら、回路に取り付けたピンチコックを閉めると完全閉塞になる前は殆ど圧力が上がらず、ピンチコックを締め切ると圧が上がっていくことが分かった。つまり、圧上昇が起きた時点で完全閉塞になったいることが示唆された。完全閉塞状態が続いた上でポンプを動かし続けるとなお、圧上昇は続き、ポンプ拍動ができなくなるとプラトーになると思われた。この検討で、高い圧上昇を生じ得たことによりポンプ装置の一部 (モーターとギアボックスのジョイント部)に破損したため、修理の必要性が生じた。
これらの検討に予想より時間を要したため、実際のリンパ液での実験には移行できなかった。延長申請を行なった次年度移行に速やかに実験に移行できるようにする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前述のごとく、リンパ回路の設定と回路の閉塞を定義する圧力の検討に予想より多い時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
回路の設定、閉塞圧の設定は終了した。次は、実際の患者リンパ液を使い、実験を進めるが、検体が確保できるよう、各科に周知、依頼をかけていく。
|
Causes of Carryover |
塞栓物質となる薬剤の使用期限が切れる可能性があるため。
|