2021 Fiscal Year Research-status Report
新規MRI撮像法を用いた末梢性顔面神経麻痺の画像評価法の確立、予後評価の検討
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21K15850
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
藤井 裕之 自治医科大学, 医学部, 講師 (40743125)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | MRI / 顔面神経麻痺 |
Outline of Annual Research Achievements |
3D-DESS-WE法自体はもともと骨軟部領域の軟骨をターゲットとした撮像法であるため、顔面神経に特化したものでない。顔面神経に本撮像法を適用するにあたり、撮像プロトコルについて改めて最適化の検証を行った。健常ボランティアを用いて異なるflip angleを用いて顔面神経と周囲組織のコントラスト比をプロットし、現状の撮像プロトコルが顔面神経の描出に最適であることを確認した。尚、撮像時間を無視すればより優れた画像を得られるが、あくまでも日常臨床における画像研究であり、現実的に施行可能な撮像時間、設定数値内で検証した。 その後、撮像された末梢性顔面神経麻痺症例について、3D-DESS-WE法と(造影MRIがオーダーされた症例では)造影後脂肪抑制T1強調画像について画像解析を続けている。 3D-DESS-WE法では患側が健側に比して肥厚していることを事前調査と同様に確認することができた。また、3D-DESS-WE法の特徴である、高い空間分解能と信号雑音比により肥厚した神経を全体を良好に描出することが可能であった。計測上も対側の顔面神経に比して信号上昇を認めている。本研究の目的である3D-DESS-WE法を用いた末梢性顔面神経麻痺の病的状態を直接描出する、ことが達成できつつあると考えている。 同時に撮像した造影後脂肪抑制T1強調画像では、既出の論文の通り、側頭骨内の造影効果を認めたが、対側も同様に認められる症例が複数あり、特異性が低い印象である。また造影効果は側頭骨内に限られ、直接描出法である3D-DESS-WE法との画像所見の乖離を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の蔓延により、通常患者の受け入れが制限される期間が長かった。そのため、末梢性顔面神経麻痺症例の新規患者が少なかった。同様に、健常ボランティアの受け入れがほぼできていない。これについては社会情勢の変化であり、予測不可能で致し方ないと考えている。 解析自体については事前予測通りであり、研究の仮説・解析については問題ないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19収束後に健常ボランティアの撮影を行っていく予定である。 患者数については、末梢性顔面神経麻痺の診療に関わる関係各科にMRIオーダーの声がけをより一層行い、当院を受診した末梢性顔面神経麻痺患者ができるだけ漏れなくMRIが撮像されるよう環境づくりを整えていく。 令和4年度以降は上記の対応行って、可能な限り患者数、健常ボランティア数を増やしていく。現時点で視覚上確認できている末梢性顔面神経麻痺の画像変化について定性的、半定量的な解析を行い、統計学的手法を用いて解析を行っていく。臨床的予後との相関解析も行っていく。
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Causes of Carryover |
支出が予定額をオーバーしそうであったため、書籍購入を減らしたため、残額が発生した。 翌年度予算で購入する予定である。
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Research Products
(1 results)