2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K16045
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高木 大地 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (70723394)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 肺静脈心筋 / 心房細動 / 過分極活性化電流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「ヒト」肺静脈心筋を用いて、心房細動の発生源における、過分極活性化電流や内向整流性カリウムチャネルの生理機能を解明し、これらの電流がどのように心房細動の発生に関わっているのかを明らかにすることである。本研究では、①肺静脈心筋細胞の採取方法の確立、②肺静脈心筋細胞の単離法の確立、③内向き整流性カリウムチャネルの測定、④過分極活性化電流の測定およびそのキャリアを明らかにする、を行う予定である。 これまで、僧帽弁形成・置換術を行う患者10例より、肺静脈心筋の採取を行った。心筋組織の採取は、心臓血管外科執刀医の協力を得て、同一部位から安定して採取することが可能であり、これまで組織の採取による合併症は認めていない。細胞の単離は酵素の種類、濃度、温度、浸透時間を調整しながら行っているが、患者背景のばらつきにより同条件による単理法でも細胞の状態や数にばらつきを認めている。 単離した細胞のパッチクランプによる過分極活性型電流の測定を行うことができた。セシウムによる抑制効果を認めており、肺静脈心筋にもペースメーカー電流があることを予測している。 今後も細胞の単離法の確立およびパッチクランプによる電流測定を行い、標本数を増やし、一定の見解を述べられるようにしていく。現在の課題として、電流測定が可能である標本数を増加させるために「良好な状態での細胞単離」が必要である。細胞単離に用いる酵素の種類、濃度、温度、そして組織の浸透時間を調整し、最適な方法を模索していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は,「ヒト」肺静脈心筋を用いて、心房細動の発生源における、過分極活性化電流や内向整流性カリウムチャネルの生理機能を解明し、これらの電流がどのように心房細動の発生に関わっているのかを明らかにすることである。本研究では、①肺静脈心筋細胞の採取方法の確立、②肺静脈心筋細胞の単離法の確立、③内向き整流性カリウムチャネルの測定、④過分極活性化電流の測定およびそのキャリアを明らかにする、を行う予定である。 これまで、僧帽弁形成・置換術を行う患者10例より、肺静脈心筋の採取を行い、単離した細胞のパッチクランプによる過分極活性型電流の測定を行うことができた。セシウムによる抑制効果を認めており、肺静脈心筋にもペースメーカー電流があることを予測している。 細胞単離条件の確立が未達成のため、細胞の状態にばらつきがあり、安定したパッチクランプによる電流測定ができていないものの、標本数は少しずつ増加している、 今後も細胞の単離法の確立およびパッチクランプによる電流測定を行い、標本数を増やし、一定の見解を述べられるように研究を継続していく。
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Strategy for Future Research Activity |
肺静脈心筋組織の採取からパッチクランプによる電流測定までの流れはこの1年間で確立することができ、今後は研究を継続し、標本数を増加させていき、知見を深めていく。 現在の課題として、電流測定が可能である標本数を増加させるために「良好な状態での細胞単離」が必要である。細胞単離に用いる酵素の種類、濃度、温度、そして組織の浸透時間を調整し、最適な方法を模索していく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス蔓延により、学会活動が行うことができず、次年度使用額が生じた。次年度は、コロナウイルス蔓延の状況も加味しながら、これまでの研究成果を発表していく機会を設けるために、使用していく。
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