2021 Fiscal Year Research-status Report
ホモシステイン代謝異常がCOPD発症に関わる機序の検討
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21K16107
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中野 寛之 山形大学, 医学部, 客員研究員 (80637629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 呼吸機能 / ホモシステイン / メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素 / 一塩基多形 |
Outline of Annual Research Achievements |
2004年から2006年にかけて、一般住民における健康診断で呼吸機能検査と採血による遺伝子検査を行った。約2700人の対象者から遺伝子のサンプルを収集することができた。メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)に関わる一塩基多形(SNPs)は7種類検出ができた。それぞれのSNPsについてのアレルを検討したところrs3753588(Non Coding Transcript Variant)はC/Cタイプが 82.6%、C/Tタイプが 16.6%、T/Tタイプが 0.7%であった。rs1476413(Intron Variant)はC/Cタイプが 65.0%、C/Tタイプが 31.6%、T/Tタイプが 3.4%であった。rs1801133(Missense Variant)はC/Cタイプが36.3%、C/Tタイプが47.4%、T/Tタイプが 16.3%であった。rs1994798(Intron Variant)はC/Cタイプが 4.6%、C/Tタイプが 33.5%、T/Tタイプが61.9%であった。rs4846048(3 Prime UTR Variant)は、C/Cタイプが 1.3%、C/Tタイプが 18.4%、T/Tタイプが 80.4%であった。rs4846049(3 Prime UTR Variant)はC/Cタイプが 65.2%、 C/Tタイプが 31.1%、 T/Tタイプが 3.6%であった。rs4846052(Intron Variant)はC/Cタイプが 64.9%、C/Tタイプが 31.5%、T/Tタイプが 3.6%という頻度であった。これらはNational library of medicineで公開されている東アジア人のアレル頻度とほぼ同じ傾向を示していた。したがって本研究の母集団については東アジア人の集団として妥当な集団であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健診データの使用のための倫理審査、承認に時間を要したが、現在研究における使用の承認を頂いたため、健診のデータセットは入手し、現在統計解析を進めている段階である。呼吸機能をはじめとした健診データとメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)に関わる一塩基多形(SNPs)のデータとの結合ができたため、現在MTHFRのSNPsと呼吸機能データとその相関性を検討している。また今後動物実験を行っていくうえでの準備を進めている段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在上記解析により得られたメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)に関わる一塩基多形(SNPs)のデータと、呼吸機能のデータとの相関性を検討している。具体的には初回健診時に採血による遺伝子検査を行っているが、その際に行われた呼吸機能検査を行って得られた様々なパラメーターとの相関性を検討する。さらに一部の集団は3-5年後に呼吸機能検査の再検を行っているため、呼吸機能の経年的変化を検討することが可能である。呼吸機能検査データの経年的な変化値とSNPsとの相関性を検討し、どのようなSNPsが呼吸機能の値や経年的な変化と関連性を持つかを統計学的に検討する。 さらにホモシステイン代謝酵素であるMTHFR遺伝子改変マウスを作成し、喫煙曝露による肺気腫の形成を検討する計画である。
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Causes of Carryover |
残金は、少額なので、次年度の消耗品購入に使用する予定です。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Role of CC Chemokine Ligand 17 in Mouse Models of Chronic Obstructive Pulmonary Disease.2022
Author(s)
Machida H, Inoue S, Igarashi A, Saitoh S, Yamauchi K, Nishiwaki M, Nemoto T, Otaki Y, Sato M, Sato K, Nakano H, Yang S, Furuyama K, Murano H, Ishibashi Y, Ota T, Nakayama T, Shibata Y, Watanabe M.
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Journal Title
Am J Respir Cell Mol Biol.
Volume: 66
Pages: 428-438
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The Incidence and Risk Analysis of Lung Cancer Development in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: Possible Effectiveness of Annual CT-Screening.2021
Author(s)
Machida H, Inoue S, Shibata Y, Kimura T, Ota T, Ishibashi Y, Murano H, Furuyama K, Yang S, Nakano H, Sato K, Sato M, Nemoto T, Nishiwaki M, Yamauchi K, Igarashi A, Watanabe M.
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Journal Title
Int J Chron Obstruct Pulmon Dis.
Volume: 16
Pages: 739-749
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Association between low mean corpuscular hemoglobin and prognosis in patients with exacerbation of chronic obstructive pulmonary disease.2021
Author(s)
Sato K, Inoue S, Ishibashi Y, Ota T, Murano H, Furuyama K, Yang S, Machida H, Nakano H, Sato M, Nemoto T, Nishiwaki M, Yamauchi K, Igarashi A, Watanabe M.
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Journal Title
Respir Investig.
Volume: 59
Pages: 498-504
DOI
Peer Reviewed
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