2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K16466
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
堀内 真 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (90896086)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Nrf2 / Keap1 / 食道上皮 / 細胞競合 |
Outline of Annual Research Achievements |
食道上皮において細胞ごとにNrf2の活性化レベルは異なると考えられる。本研究の目的は、Nrf2の活性化と細胞競合・細胞相互作用の関係性を明らかにすること、それらNrf2の細胞競合と食道上皮の発癌の関係性を明らかにすることである。 Nrf2は定常状態ではKeap1によって抑制制御がかけられており、Keap1の欠失マウスはNrf2の活性化を維持することが知られている。 食道上皮の一部の細胞にKeap1の欠失を誘導しても、Nrf2の活性化を食道組織内で維持することができないことが、これまでの我々のデータから明らかになっている。また、Keap1の欠失を誘導した細胞は基底層における接着因子であるCol17a1の発現が低下していることも明らかとなり、Nrf2活性化細胞は基底膜に居座ることができずに組織内から排除されることがわかった。 ・今年度の成果 上記の細胞競合現象と発癌の関係性を明らかにするべく、4-Nitroquinoline 1-Oxide (4NQO)を経口投与するマウスの食道発癌モデルを用いた実験を行った。Keap1を食道上皮で部分的に欠失させたマウスで発癌が促進されたが、それらの腫瘍はKeap1の欠失を免れた正常細胞であった。Keap1の欠失を免れた細胞を免疫染色で観察すると、細胞増殖マーカーであるKi67とDNA障害マーカーであるγH2A.X.が陽性となり、Keap1の欠失細胞が周囲の正常細胞に増殖・細胞障害を誘導していることが示唆された。Keap1を部分的に欠失した食道上皮をSingle cell RNA seqにて解析すると、Keap1欠失細胞が上皮内に存在することで正常細胞の増殖が促進されていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね仮説通りの結果が得られているため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果から、Nrf2活性化細胞は食道上皮から細胞単位で排除されること、Nrf2活性化細胞が存在することで周りの正常細胞の増殖能が亢進すること、Nrf2活性化細胞が存在することで正常細胞の癌化を促進することがわかった。Nrf2活性化細胞が周りの正常細胞にどのように影響を与えるかという具体的なメカニズムは不明のままであるので、培養細胞を用いた競合実験や組織培養の実験系を検討中である。
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Causes of Carryover |
共同研究室である医化学分野の全面的な協力があり、実験機器の利用や薬剤の使用などの面で、想定よりも予算を使用せずに実験が進んでいる状況がある。今後は組織培養の実験系確立などが控えているため、さらなる助成金の使用が想定される。
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Research Products
(1 results)