4D-flow MRIを用いたステントグラフト術後瘤径拡大の新しい予測法の開発

2023 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21K16492
• Research Institution: Hamamatsu University School of Medicine
• Principal Investigator: 片橋 一人 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60839091)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: ステントグラフト内挿術 / エンドリーク / 4D-flow MRI

Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は「腹部大動脈瘤(AAA)へのステントグラフト内挿術（EVAR)後のII型エンドリーク(T2EL)に対する治療戦略を確立させること」であり、その方法として新しい技術である4D-flow MRIに着目した。4D-flow MRI血行動態解析によるT2ELの評価を行い、術後のT2ELによる瘤径拡大を予測、さらに介入しT2ELによる瘤径拡大の抑制を目指している。
１）「AAAに対するEVAR術前のAAA分枝血流量を4D-flow血行動態解析により算出し後方視的に検討」：我々はこれまでのAAA症例の術前MRIデータから4D-flow解析を実施し、術前の瘤分枝血流ベクトルおよび流量が算出可能であることを確認した。さらに、これら解析を実施した症例のうち、T2ELにより術後1年目に瘤径拡大した群と瘤径非拡大群とで血行動態解析結果を後方視的に比較検討し、血行動態解析により得られる瘤分枝血流量から得られるtotal flow volume(TFV)が両群間で有意差を持つことを見出した。そのうえで、瘤径拡大の予測因子としての術前瘤分枝TFVのカットオフ値について報告した。
２）「AAAに対するEVAR術前のTFV値により術前に術後T2ELによる瘤径拡大を予測し、術後拡大が疑われる症例に対して選択的瘤分枝塞栓を実施することでT2ELによる瘤径拡大を予防しうるか前方視的に検討」：上記結果を背景にして「AAA術前4D-flow解析より得られる瘤分枝TFV値からT2ELでの瘤径拡大が予測される症例に対して選択的術前瘤分枝塞栓を実施することでT2ELでの術後瘤径拡大を予防しうる」という仮説のもと非特定臨床研究として前向き研究を進行中である。

Research Products

• [Journal Article] Detailed tracking of antigen and antibody levels during coronavirus disease 2019 treatment in an immunosuppressed patient with anti-neutrophil cytoplasmic autoantibody-associated vasculitis (2024)
  • Author(s): Yukishima Toshitaka、Furuhashi Kazuki、Shimoyama Kumiko、Taki Takeru、Azuma Chika、Yamazaki Kenji、Furukawa Shogo、Fukami Soma、Nagura Osanori、Katahashi Kazuto、Yamashita Keita、Maekawa Masato、Ogawa Noriyoshi
  • Journal Title: Journal of Infection and Chemotherapy Volume: - Pages: -
  • DOI: 10.1016/j.jiac.2024.02.004
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Prediction of Sac Enlargement Due to Type 2 Endoleaks After EVAR Using CT Images and Hemodynamic 4D Flow MRI Analyses (2024)
  • Author(s): Sano Masaki、Yamanaka Yuta、Katahashi Kazuto、Endo Yusuke、Inuzuka Kazunori、Takeuchi Hiroya
  • Journal Title: Journal of Vascular Surgery Volume: 79 Pages: 82S～82S
  • DOI: 10.1016/j.jvs.2024.01.194
• [Journal Article] Recent Experience with Inferior Vena Cava Filters (2024)
  • Author(s): Ishikawa Nozomu、Yamamoto Naoto、Endo Yusuke、Tsuyuki Hajime、Yamanaka Yuta、Kayama Takafumi、Katahashi Kazuto、Sano Masaki、Inuzuka Kazunori、Takeuchi Hiroya、Unno Naoki
  • Journal Title: The Japanese Journal of Phlebology Volume: 35 Pages: 67～74
  • DOI: 10.7134/phlebol.23-28
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Pre-Operative Four Dimensional Flow Sensitive Magnetic Resonance Imaging Assessment of Aortic Side Branches as a Method to Predict Risk of Type II Endoleak Resulting in Sac Enlargement After EVAR (2023)
  • Author(s): Yamanaka Yuta、Sano Masaki、Katahashi Kazuto、Inuzuka Kazunori、Takehara Yasuo、Ojima Toshiyuki、Takeuchi Hiroya、Unno Naoki
  • Journal Title: European Journal of Vascular and Endovascular Surgery Volume: 66 Pages: 17～26
  • DOI: 10.1016/j.ejvs.2023.01.042
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] The Usefulness of a Three-Microneedle Device for Indocyanine Green Fluorescence Lymphography (2023)
  • Author(s): Endo Yusuke、Sano Masaki、Kayama Takafumi、Inuzuka Kazunori、Saito Takaaki、Katahashi Kazuto、Yamanaka Yuta、Tsuyuki Hajime、Ishikawa Nozomu、Naruse Ena、Takeuchi Hiroya、Unno Naoki
  • Journal Title: Lymphatic Research and Biology Volume: 21 Pages: 396～402
  • DOI: 10.1089/lrb.2022.0049
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Risk and Prognosis of Upper Extremity Deep Vein Thrombosis (2023)
  • Author(s): Endo Yusuke、Unno Naoki、Yamamoto Naoto、Sano Masaki、Katahashi Kazuto、Kayama Takafumi、Yamanaka Yuta、Tsuyuki Hajime、Takeuchi Hiroya、Inuzuka Kazunori
  • Journal Title: Annals of Vascular Diseases Volume: 16 Pages: 200～204
  • DOI: 10.3400/avd.oa.23-00005
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Real-Time Assessment of Tissue Oxygen Saturation Using a Novel Oximeter During Revascularization for Acute Limb Ischemia: A Case Report (2023)
  • Author(s): Yata Tatsuro、Sano Masaki、Inuzuka Kazunori、Katahashi Kazuto、Naruse Ena、Kayama Takafumi、Yamanaka Yuta、Tsuyuki Hajime、Endo Yusuke、Ishikawa Nozomu、Takeuchi Hiroya、Unno Naoki
  • Journal Title: Annals of Vascular Diseases Volume: 16 Pages: 81～85
  • DOI: 10.3400/avd.cr.22-00062
  • Peer Reviewed
• [Presentation] 腹腔動脈狭窄に対してステント留置を施行した腹部アンギーナの1例 (2024)
  • Author(s): 露木 肇, 犬塚 和徳, 佐野 真規, 片橋 一人, 山中 裕太, 遠藤 佑介, 石川 諄武, 海野 直樹, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本臨床外科学会
• [Presentation] 術前4D flow MRIを用いてEVAR前の分枝塞栓が必要な症例を選別する試み (2024)
  • Author(s): 犬塚和徳, 佐野真規, 片橋一人, 山中裕太, 露木肇, 遠藤佑介, 石川諄武, 海野直樹, 竹内裕也
  • Organizer: 日本心臓血管外科学会
• [Presentation] 腹部内臓動脈瘤40例の治療経験 ～ SVSガイドラインで何が変わるのか～ (2024)
  • Author(s): 石川諄武, 犬塚和徳, 遠藤佑介, 露木肇, 山中裕太, 片橋一人, 佐野真規, 竹内裕也, 海野直樹
  • Organizer: 日本心臓血管外科学会
• [Presentation] 4D flow MRIを用いたEVAR時の「選択的」予防的分枝塞栓の有効性 (2024)
  • Author(s): 遠藤佑介, 佐野真規, 石川諄武, 露木肇, 山中裕太, 片橋一人, 犬塚和徳, 竹内裕也, 海野直樹
  • Organizer: 日本心臓血管外科学会
• [Presentation] 4D-flow MRIを用いたII型エンドリーク流量による瘤径増大予測因子の検討 (2024)
  • Author(s): 片橋 一人, 犬塚 和徳, 佐野真規, 山中裕太, 露木肇, 遠藤佑介, 石川諄武, 嘉山貴文, 山本尚人, 海野直樹, 竹内裕也
  • Organizer: 日本心臓血管外科学会
• [Presentation] 当院におけるEVAR術後の開腹移行症例の現状 (2024)
  • Author(s): 佐野真規, 夏目佳代子, 石川諄, 椎谷紀彦, 犬塚和徳, 鷲山直己, 高橋大輔, 津田和政, 大箸祐子, 平野雅大, 竹内祐貴, 塚田友太, 片橋一人, 山中裕太, 露木肇, 遠藤佑介
  • Organizer: 日本心臓血管外科学会
• [Presentation] EVT術中のrSO2値とIM病変の関係 (2024)
  • Author(s): 露木 肇, 犬塚 和徳, 佐野 真規, 片橋 一人, 山中 裕太, 遠藤 佑介, 石川 諄武, 嘉山貴文, 山本 尚人, 海野 直樹, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本心臓血管外科学会
• [Presentation] 人工肛門閉鎖創におけるsurgical site infectionの検討 (2023)
  • Author(s): 鈴木 克徳, 高岡 雅代, 鈴木 利史, 立田 協太, 羽田 綾馬, 片橋 一人, 武田 真, 平松 良浩, 菊池 寛利, 古橋 一樹, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本外科感染症学会
• [Presentation] 臍部の表層切開創手術部位感染予防のための術前臍処置の現状と取り組み (2023)
  • Author(s): 高岡 雅代, 鈴木 利史, 古橋 一樹, 鈴木 克徳, 片橋 一人, 武田 真, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本外科感染症学会
• [Presentation] 消化器外科手術におけるSSI低減にむけた取り組み (2023)
  • Author(s): 武田 真, 鈴木 克徳, 片橋 一人, 高岡 雅代, 坊岡 英祐, 菊池 寛利, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本外科感染症学会
• [Presentation] リンクナース参加型の環境ラウンドの取り組みとその成果 (2023)
  • Author(s): 高岡 雅代, 鈴木 利史, 澤木 ゆかり, 森下 由加里, 名倉 理教, 片橋 一人, 古橋 一樹, 脇坂 浩, 前川 真人
  • Organizer: 日本環境感染学会
• [Presentation] コロナ禍における入院病棟内への持ち込み防止策と陽性者発生時対応の変遷 (2023)
  • Author(s): 鈴木 利史, 古橋 一樹, 高岡 雅代, 澤木 ゆかり, 森下 由加里, 片橋 一人, 名倉 理教, 脇坂 浩, 前川 真人
  • Organizer: 日本環境感染学会
• [Presentation] AST薬剤師の介入により感染症治療領域のフォーミュラリー作成への取り組み (2023)
  • Author(s): 森下 由加里, 片桐 由起子, 望月 啓志, 中津川 瑛美, 鈴木 利史, 高岡 雅代, 澤木 ゆかり, 脇坂 浩, 片橋 一人, 名倉 理教, 古橋 一樹, 前川 真人
  • Organizer: 日本環境感染学会
• [Presentation] 当科の透析シャント中枢静脈狭窄に対する検討 (2023)
  • Author(s): 露木 肇, 犬塚 和徳, 佐野 真規, 片橋 一人, 山中 裕太, 遠藤 佑介, 石川 諄武, 嘉山 貴文, 山本 尚人, 海野 直樹, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本脈管学会
• [Presentation] Parks-Weber syndromeに伴う右浅大腿動脈瘤破裂にステントグラフトを留置した一例 (2023)
  • Author(s): 片橋 一人, 犬塚 和徳, 石川 諄武, 遠藤 佑介, 露木 肇, 山中 裕太, 嘉山 貴文, 矢田 達朗, 佐野 真規, 山本 尚人, 海野 直樹, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本血管外科学会
• [Presentation] 上肢深部静脈血栓症の臨床的特徴 (2023)
  • Author(s): 遠藤 佑介, 犬塚 和徳, 石川 諄武, 露木 肇, 山中 裕太, 嘉山 貴文, 片橋 一人, 佐野 真規, 竹内 裕也, 海野 直樹
  • Organizer: 日本血管外科学会
• [Presentation] 組織酸素飽和度を利用した術中の術後大切断予測について (2023)
  • Author(s): 露木 肇, 犬塚 和徳, 佐野 真規, 片橋 一人, 嘉山 貴文, 山中 裕太, 遠藤 佑介, 石川 諄武, 矢田 達郎, 山本 尚人, 海野 直樹, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本血管外科学会
• [Presentation] 人工血管を用いたバスキュラーアクセスに対するVIABAHNの使用経験 (2023)
  • Author(s): 遠藤 佑介, 犬塚 和徳, 石川 諄武, 露木 肇, 山中 裕太, 片橋 一人, 佐野 真規, 竹内 裕也, 海野 直樹
  • Organizer: 日本静脈学会
• [Presentation] 卵巣静脈血栓の7例 (2023)
  • Author(s): 露木 肇, 犬塚 和徳, 佐野 真規, 片橋 一人, 嘉山 貴文, 山中 裕太, 遠藤 佑介, 石川 諄武, 矢田 達朗, 山本 尚人, 海野 直樹, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本静脈学会
• [Presentation] 瘤分枝数と術前4D-flow MRIを用いた相関と術後瘤径増大の予測 (2023)
  • Author(s): 山中 裕太, 遠藤 祐介, 露木 肇, 嘉山 貴文, 片橋 一人, 佐野 真規, 犬塚 和徳, 海野 直樹, 森田 剛文, 菊池 寛利, 平松 良浩, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本外科学会
• [Presentation] 当科におけるTypeIIエンドリークによる瘤径増大予測における取り組み 4D flow MRIは予防的分枝塞栓のパラダイムシフトを起こせるか (2023)
  • Author(s): 遠藤 佑介, 佐野 真規, 石川 諄武, 露木 肇, 山中 裕太, 嘉山 貴文, 片橋 一人, 森田 剛文, 菊池 寛利, 犬塚 和徳, 平松 良浩, 竹内 裕也, 海野 直樹
  • Organizer: 日本外科学会
• [Presentation] CLTI(包括的高度慢性下肢虚血)の治療選択 TOE-20を使用したEVT術中の術後潰瘍治癒予測 (2023)
  • Author(s): 露木 肇, 犬塚 和徳, 佐野 真規, 片橋 一人, 嘉山 貴文, 山中 裕太, 遠藤 佑介, 石川 諄武, 矢田 達朗, 山本 尚人, 海野 直樹, 平松 良浩, 菊池 寛利, 森田 剛文, 倉地 清隆, 深澤 貴子, 竹内 裕也
  • Organizer: 日本外科学会