2022 Fiscal Year Research-status Report
新規分子標的治療薬による造精障害メカニズムの解明と精巣毒性バイオマーカーの確立
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21K16756
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
野崎 哲史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (50813432)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精巣毒性 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒストン脱メチル化酵素Lysine Specific Demethylase 1 (LSD1)阻害剤であるNCL1を用いて、Invitro実験を行った。まず、マウスの精原細胞株であるGC-1を用いてChIP-qPCRアッセイを行った。次に、GC-1、マウスのライディッヒ細胞株であるTM3、マウスのセルトリ細胞株であるTM4を用いて、WST assayで細胞増殖能を、flow cytometryでアポトーシスを評価した。 LSD1阻害剤はH3K4の脱メチル化を阻害し、がん増殖を抑制する。また、H3のメチル化は、Oct4によって抑制的に制御されることが知られている。そのため、ChIP-qPCRアッセイでは、H3K4me2抗体で免疫沈降を行い、Oct4のプロモーター領域のプライマーを作成し、qPCRを行うことで評価した。その結果、Oct4のメチル化状態が変化していた。 WST assay では、GC1,TM3,TM4の各細胞に、0, 5,10,20,30 uMの濃度のNCL1を投与し、WST8で評価した。結果、NCL1の濃度依存的にGC-1の増殖抑制をみとめたが、TM3、TM4ではみられなかった。 Flow cytometryでは、GC1,TM3,TM4の各細胞に、NCL1 30uMを投与し、7AAD, PE AnexinⅤで評価した。結果、GC1では、アポトーシスの増加をみとめたが、TM3、TM4ではみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NCL1投与におけるin vitro実験は概ね完了している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、精巣毒性メカニズムをさらに解明するとともに、ヒト精巣検体を用いた解析も行う予定である。
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Causes of Carryover |
新規がん治療薬による造精障害のメカニズムを解明し、精巣毒性を予測するバイオマーカーを確立することを目標とする研究である。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19のによる通常の医療業務の変更が依然として継続しており、予定していた研究にやや遅れがみられる。また国際・国内学会出張も計画していたが、十分に出張することもできなかった。このため次年度使用が生じた。引き続き、精巣毒性の解析を完了し、新規がん治療薬投与による細胞傷害の解析へつなげていきたい。
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Research Products
(4 results)