2021 Fiscal Year Research-status Report
ダニ抗原舌下免疫療法の応答性に関わる薬理遺伝学的バイオマーカーの開発
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21K16827
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
木戸口 正典 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (30880132)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | アレルギー性鼻炎 / 舌下免疫療法 / 薬理遺伝学 / 全ゲノム関連解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
スギ花粉症やダニ抗原アレルギー性鼻炎は近年増加傾向であり、日本人の2人に1人が罹患している国民病である。スギ花粉およびダニ抗原舌下免疫療法は唯一根治性のある治療として注目されているが、2年以上の長期治療にも関わらず効果が乏しい症例が一定数存在する。申請者は、スギ花粉舌下免疫療法を行っているスギ花粉症患者において、スギ花粉抗原ペプチドと結合するHLA領域の遺伝子型のうち、HLA-DPB1*05:01遺伝子型を保有する患者は、保有しない患者と比較して、治療応答性が低いことを見出した。さらに、特異的な遺伝子多型を用いたHLA遺伝子型の検査方法を確立し、スギ花粉舌下免疫療法の応答性が予測可能な薬理遺伝学的バイオマーカーを発見した。本研究では、さらにダニ抗原舌下免疫療法患者のHLA遺伝子型と舌下免疫療法への応答性との関連を明らかにすることを目的とし、ダニ抗原舌下免疫療法の応答性が予測可能な薬理遺伝学的バイオマーカーの開発を目指す。 本年度は、主に検体収集および臨床データの取得を行った。研究代表施設および研究協力施設において、ダニ抗原舌下免疫療法を行っている患者350名が研究に参加した。参加者からそれぞれ血液を採取し、DNAを抽出した。さらに、参加者の舌下免疫療法前後の症状スコア、薬物スコアからダニ舌下免疫療法への治療応答性・非応答性を判定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標症例数の参加者から検体採取と臨床データ取得を行い、全検体のDNA抽出が終了した。 抽出したDNAを用いて、ゲノムワイド関連解析(GWAS)の実験を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出したDNAからゲノムワイド関連解析(GWAS)を行う。GWASによって得られたゲノムデータを日本人集団のリファレンスデータと照合することでHLA遺伝子型を決定する(imputation法)。さらに、各HLA遺伝子型とダニ抗原舌下免疫療法への治療応答性・非応答性を比較し、ダニ抗原舌下免疫療法患者のHLA遺伝子型と舌下免疫療法への応答性との関連を明らかにする。
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Causes of Carryover |
当該年度はDNA抽出に時間を要し、次年度にてGWASを用いた測定を行うこととなった。また、GWASに用いる測定試薬が、 COVID-19パンデミックによる影響にて海外からの輸入・納品に時間を要しており、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(14 results)