2022 Fiscal Year Annual Research Report
前視野緑内障の予防法構築に向けた疫学エビデンスの確立:久山町研究
Project/Area Number |
21K16877
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 康太 九州大学, 大学病院, 助教 (80808121)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 緑内障 / 疫学 / 前視野緑内障 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化が進む本邦において緑内障は増加していくことが推察され、視覚障害者も増加することが懸念される。画像技術の進歩とともに、光干渉断層計を用いた視神経乳頭解析や網膜構造解析が進み、臨床の場で広く用いられている。緑内障の構造異常は視野異常に先行し、前視野緑内障として定義される。そのため前視野緑内障の有病率や危険因子の解明は、早期の緑内障の発見や治療介入に直結することは明白である。しかしながら前視野緑内障の有病率や発症率、関連因子を検討したものはこれまでにない。そこで本研究では、既に完了しているベースライン調査を継続することで、わが国初の前視野緑内障の有病率・発症率ならびにその関連因子を明らかにする。我々は光干渉断層計を用いた緑内障有病率調査を実施し2017-2018年の横断調査を実施した。本邦での最新の緑内障有病率は7.6%と高く、およそ40歳以上の13名に1名が緑内障を有している結果となった。既報と比べ緑内障有病率は高く、その要因として加齢の関与が強く影響している結果となった。さらに全身因子との関連では眼科因子に加え腎機能低下や糖尿病も関連因子として同定できた。またこの調査では光干渉断層計を用いているため前視野緑内障についても調査している。この集団は前向きに追跡しており、前視野緑内障を含めた緑内障の早期診断・治療を啓蒙する上で、重要な医学的エビデンスとなる。前視野緑内障の遺伝子情報と環境因子も含めた具体的な関連については解明されておらず、遺伝子多形と全身因子との相互作用、進行因子についての検討は行われていない。そのため地域住民を対象として全身因子、遺伝子情報を含め包括的に前視野緑内障の発症・進行との関連を明らかにすることが必要である。緑内障の早期診断・治療を啓蒙する上で、重要な医学的エビデンスとなる。
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[Journal Article] Prevalence of glaucoma and its systemic risk factors in a general Japanese population: The Hisayama Study2022
Author(s)
Kohta Fujiwara, Miho Yasuda, Jun Hata, Satoko Nakano, Sawako Hashimoto, Emi Ueda, Shun Nakamura, Yusuke Murakami, Takako Nakamuro, Aiko Iwase, Makoto Araie, Akihiko Tawara, Toshiaki Kubota, Takeshi Yoshitomi, Toshiharu Ninomiya, Koh-Hei Sonoda
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Journal Title
Transl Vis Sci Technol
Volume: 11
Pages: 11
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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