2021 Fiscal Year Research-status Report
Prevention of Candida-associated denture stomatitis: intervention studies
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21K17056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
尾崎 公哉 北海道大学, 大学病院, 医員 (60876978)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 義歯 / カンジダ / 清掃管理 / 高齢者 / 義歯性口内炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は①義歯清掃が義歯に付着するカンジダに影響するのか②義歯に付着したカンジダが義歯性口内炎に進行するまでにどれくらいの期間で何が関連するのか③義歯床用レジンを走査型電子顕微鏡で観察し義歯性口内炎との関係を検索することを目的とした。義歯の清掃管理を介入する縦断研究は数多くあるが, 1~3週間程度の短期間の介入であり,長期間にわたる縦断研究の報告はない.そのため高齢社会のなかで急増する要介護高齢者の義歯管理に役立つと考えている。 現在は清掃指導を行った群と清掃指導を行わなかった群で、義歯装着時と義歯装着後1, 3, 6, 9, 12か月の時点で経過観察を行い, 各時点で, 切歯乳頭周辺の①義歯粘膜面, ①に相当する②口蓋粘膜, ③義歯装着下の口内リンス液から検体を採取し, クロモアガー培地で培養後, 菌種とコロニー数(CFU/ml) を測定し, 義歯粘膜面からのカンジダ検出の有無と関連因子との関係を検索し、また関連因子については年齢, 性別, 既往疾患数, 常用薬剤数, 安静時唾液分泌量, 口腔乾燥所見(柿木の分類), 義歯の使用歴の有無, 下顎義歯の有無, 義歯清掃状況,義歯装着時のカンジダ保菌の有無, 口腔内総細菌数, 口腔内湿潤度, 検討を行い、二群間で有意な差を認めた。この結果はJournal of Oral and Maxillofacial Surgery, Medicine, and Pathologyにて論文を執筆しアクセプトされた。 ただし、この研究にてカンジダ性の義歯性口内炎(発赤)まで発展する症例は認めなかったため、今後は期間を延ばして研究を行っていくか、方向性を変えなければならないと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも説明させていただいたように概ね順調に進行している。 ただし義歯性口内炎に至る症例を認めない以上期間を長くするか、ほかのアプローチにて義歯性口内炎を見ていくほかないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究にてカンジダ性の義歯性口内炎(発赤)まで発展する症例は認めなかったため、今後は期間を延ばして研究を行っていくか、方向性を変えなければ②義歯に付着したカンジダが義歯性口内炎に進行するまでにどれくらいの期間で何が関連するのか③義歯床用レジンを走査型電子顕微鏡で観察し義歯性口内炎との関係を検索することは達成できないと考えている。 また③に関しては縦断研究にとらわれずに横断研究等にて検討することも視野に入れて検討していく必要がある。
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Causes of Carryover |
現在コロナ禍であり旅費を使用できなかったことや、基本的に研究室の材料にて本年度の研究を行うことが出来たためその他の費用が余ってしまった。次年度からは材料等の経費や論文執筆費用、電子顕微鏡を依頼するための費用等が必要となってくるため次年度使用額が必要である。
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