2021 Fiscal Year Research-status Report
新規成長因子Midkineが口腔癌骨浸潤に果たす役割と機能の解明
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21K17138
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
増井 正典 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80881143)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | Midkine / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Midkine (MK) は,様々な癌細胞から産生され,腫瘍進展に寄与する分泌タンパクである.口腔癌の骨浸潤部にMKが高発現し,口腔癌細胞にMK受容体が発現することは確認しているが,口腔癌の骨浸潤部でのMKの役割は解明されていない.本研究では,①MKの破骨細胞形成と口腔癌細胞に与える影響を明らかにし,②口腔癌と骨浸潤部におけるMKのシグナル伝達に関与する受容体を明らかにし,その阻害が口腔癌骨浸潤動物モデルに与える影響を明らかにすることを目的としている。2021年度はMKの口腔癌における分子生物的作用はどの受容体を介したシグナル伝達が関与するかin vitroで解析を行なった。口腔扁平上皮癌細胞株(HSC-2,HSC-3,HSC-4,SAS,OSC-19)においてrecombinant human MKを添加すると細胞増殖能は促進し,一方で,阻害剤iMDKを添加すると細胞増殖能は抑制されることを確認している.口腔扁平上皮癌細胞株におけるMK受容体 (PTPζ,LRP1,ALK)の発現を確認し,受容体アンタゴニストとrecombinant human MK,iMDKを存在下 / 非存在下で培養し,口腔扁平上皮癌細胞株のシグナル伝達に関与する受容体の解析を継続して行なっている.本年度は破骨細胞への影響についてもin vitro / in vivoで検討し,MKが破骨細胞形成と口腔癌細胞に与える影響を並行して解析する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本来であれば,マウス大腿骨骨髄細胞とMK / recombinant human MKを用いて破骨細胞の形成能に対する影響を検討する研究を先行する予定であったが,動物実験が承認されるまでに時間を要している.また,MKの口腔癌骨浸潤モデルマウスに与える影響の解析に関するin vivoの研究に関しても同様に動物実験が承認されるまでに時間を要している.実験が効率よくできておらず,並行してin vitroの研究をすすめている.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度にひきつづき,口腔癌細胞株にと破骨細胞におけるMKの発現に関する解析を行うとともに,マウス大腿骨骨髄細胞とMK / recombinant human MKを用いて破骨細胞の形成能に対する影響を検討する研究を並行して行う.前述の結果が揃い次第,MKの口腔癌骨浸潤モデルマウスに与える影響の解析に移行する予定である.
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Causes of Carryover |
動物実験が承認されるのが遅れたため,2021年度予定していたin vivoの実験で使用を予定していたマウス購入経費と実験試薬・キット,培養試薬に大幅な残額が生じている.2022年度はin vivoとin vitroを並行して行う予定である.
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