2022 Fiscal Year Research-status Report
CRISPR/Cas9法による扁平上皮癌細胞におけるFGF結合蛋白の機能解析
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21K17141
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
檜垣 美雷 広島大学, 病院(歯), 助教 (40826856)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 遺伝子ノックアウト |
Outline of Annual Research Achievements |
扁平上皮癌細胞におけるHeparin-binding protein 17/FGF-Binding Protein -1(以後、HBp17)遺伝子をCRISPR / Cas9システムを用いて欠失させた細胞株を作 成し、ウェスタンブロット法において当該蛋白質の消失を確認した。作成したHBp17ノックアウト扁平上皮癌細胞株(以後、HBp17-KO-SCC)においてParent細胞とでマイクロアレイ解析及びプロテオーム解析を行った。プロテオーム解析により、タンパク質の発現量の差を調べたところ、5805個のタンパク質が同定され、そのうち2590個がA431-WBp17-KO細胞でParentと比較してアップレギュレーション、3215個がダウンレギュレーションされていた。A431-HBp17-KO2細胞におけるFABP5、S100A9、S100A8、SPRR1A、AKR1C3、AKR1C2、SPRR1Bといった7つのタンパク質の発現量はA431-WT細胞と比較して5~180倍であった。マイクロアレイ解析ではA431-HBp17-KO細胞はParentと比較して347個がアップレギュレーション、446個がダウンレギュレーションしており、細胞のcDNAプロファイルを比較した統計解析の結果、AKR1C3、KRT1、AKR1C2、CA2、FABP5の発現が認められた。アップレギュレートされた遺伝子は、主に角化、表皮の発達、角化に関連しており、HBp17 KOの効果を示していた。これはHBp17 KOが終末分化の誘導を介してSCC細胞やOSCC細胞の増殖や運動性を抑制することを示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験において想定していたデータが得られており、計画と相違なく概ね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
実臨床における扁平上皮癌の病理組織標本での分化度におけるHBp17発現に関する検討及び、生存率との関連性を検討する。
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Causes of Carryover |
2022年度の消耗品使用量が計画より少なかったため、次年度使用額が生じた。2023年度の予算と併せ、培養液やピペットなどの消耗品や実験動物の購入費、また情報収集のための学会、研修会参加費等に使用していく予定である。
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