2022 Fiscal Year Research-status Report
精神科看護師の「看取り」を支援する教育プログラムの開発と検証
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21K17379
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
荒井 春生 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (60406246)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 精神科病院 / がん / 看取り / 教育 / 看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年の調査 2021年度に実施した基礎資料をもとに、マレーシアと日本の精神科看護師20人を対象に、精神科看護師の「看取り」について聞き取り調査を行った。本調査の結果、看護師の概要は以下であった。①国籍はマレーシア10人、日本10人。②性別は女性18人、男性2人。③年齢は17.3年 (4-37 years)であった。 ④職位はスタッフ18人(80.0%)、主任1人(10.0%)、管理者1人(10.0%)。95.0%の参加者は、がんを合併した統合失調症患者の診断についてカルテからの情報で知った。マレーシアの10人の患者はがん告知を受けていたが、日本の10人の患者はがん告知を直接受けずに家族が説明を受けていた。がん告知を受けた日本の家族は、患者のがん治療を望んでいなかった事実が示された。10人のマレーシア看護師はVisual Analogue Scale (VAS) を使用して患者の痛みを評価していた。10人の日本人看護師はVASを使用していなかった。参加した20人の看護師(100%)は 、Benner's 看護理論・看護診断・クリティカルパス・看護ガイドラインなどは使用していなかった。 これらの状況から、Benner's 看護理論の5つの段階における教育プログラムを明示した。①Novice:身体症状と精神症状を1つにしたアセスメントシートの活用。②」Advanced beginer:VASシートの研修会を開催してモチベーションアップを行う。③Competence:先輩ナースと一緒にアセスメントを行い、ケースカンファレンスでフィードバックを行う。④Proficient:倫理的な課題を踏まえチームでケースカンファレンスを主導する。⑤Expert:看護師個々の教育背景を踏まえたキャリアゴールの確認・研修会の企画とフィードバックを行う。 2023年度は、2022年度の結果を踏まえ、対象地域や対象数を拡大してさらなる知見を得る。また、マレーシアと日本の看護教育プログラムの開発をするために具体的なプログラム内容を精選する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の調査は、Covid-19の影響により病院での調査が一時中断した。様々な状況が変化する中で、健康管理に配慮した体制を継続する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度:当初の予定だったブータン王国病院からは、Covid-19の影響によってVISAが取得できずマレーシアに変更をした。 今後は両国の外務省情報を把握しながら、調査地域を拡大する予定である。取り組む調査の内容は、看護師の教育プログラムの開発をするために、看護師の教育背景や宗教・文化を加味した到達プログラムの検討を加える予定である。
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Causes of Carryover |
2023年度は対象者数拡大を行うため必要使用額である。
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