2021 Fiscal Year Research-status Report
脳が萎縮しても認知機能が維持されるメカニズムの解明
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21K17634
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| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
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Principal Investigator |
浅原 亮太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (90847584)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 脳萎縮 / 脳活動 / MRI / 認知機能 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
認知症高齢者の急増が医療・社会的問題となっており、認知症の進行を抑制できる早期段階で発見することはとても重要である。認知症は、認知機能検査や脳の形態評価から総合的に診断される。しかし、脳萎縮と認知機能が対応しない高齢者が多く存在し、脳の形態と認知機能の”不一致”が認知症の早期発見を困難にしている原因の一つと考えられるが、そのメカニズムは全く解明されていない。本研究の目的は、『脳が萎縮しても認知機能が保たれている高齢者では、残存している脳神経細胞や神経ネットワークが補償的に活動することによって機能を保っている』という仮説を検証することである。本研究では、「脳の萎縮の程度に応じて神経活動も変化する」という独自の観点を取り込むことで、脳と認知機能の関連の全容解明を目指す。
研究1年目の2021年度は、若年者25名、様々な認知機能レベルの高齢者10名を対象に、認知機能検査および脳の形態、認知課題時の脳の活動評価・脳に血液を還流する内頸動脈血流量の評価を行った。少数例の検討であるが、（認知機能検査の結果に基づき）認知機能が保たれている高齢者、認知機能低下が顕著な高齢者では、脳の萎縮は共通して生じることを確認した。他方で、脳活動、脳血流量動態に関しては、認知機能が保たれている高齢者、保たれていない高齢者それぞれに若年者と異なる脳活動、脳血流量動態の特徴があることが確認された。
コロナの影響により、被験者実験が難しい期間については、実験手法に関して見直しを行い、当初計画に含んでいなかったMRIでの血流計測を加えるなど、研究基盤の強化に努めた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、2021年度、2022年度途中までに、若年者25名、高齢者50名を対象に、認知機能検査および脳の形態、認知課題時の脳の活動評価を行う計画であった。
この計画に対して、若年者については、計画通り25名のデータ収集、解析を完了しており、おおむね順調に進展した。
一方で、高齢者については、当該地域における新型コロナ感染症拡大に伴い、緊急事態宣言や高齢者の外出自粛の要請が発出された影響により、データ収集が進められず、10名のデータ収集、解析に留まっており、やや遅れている。
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| Strategy for Future Research Activity |
2年目以降は、若年者の研究成果をまとめるとともに、高齢者・軽度認知障害者のデータ収集を加速させる。データ収集と並行して解析を進め、早期の国際雑誌への投稿を目指す。
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| Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響により、実験実施が難しい状況のため、当初の計画よりも、人件費・謝金の使用額が少なくなった。次年度の実験謝金、および実験装置購入費、感染対策等の消耗品購入費として使用する計画である。
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Research Products
(4 results)
