2022 Fiscal Year Research-status Report
Role of ATP6ap2 in salt-driven muscle wasting
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21K17685
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
北田 研人 香川大学, 医学部, 助教 (30882493)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ATP6ap2 / 筋萎縮 / 塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢や現代の生活習慣に伴う筋萎縮は、健康寿命の低下に直結するが、その発症・進展機序の詳細は明らかにされておらず、予防・治療法も存在しない。我々は、様々な生活習慣病のリスク因子である高食塩摂取が、筋肉量の低下を引き起こすことを発見した。しかしながら、高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムは不明である。 RNA sequencingにより筋肉の全転写物の塩基配列を測定し、バイオインフォマティクス解析を行ったところ、様々な加齢性変化を促進する遺伝子であるATP6ap2(ATPase H+ Transporting Accessory Protein 2)が高食塩摂取に伴う筋萎縮と関連していることを同定した。そこで、ATP6ap2に焦点を当て、高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムの解明を進めている。2022年度までの研究により、ATP6ap2に対するワクチンを作製し、その投与により、高食塩負荷に伴う筋萎縮を予防できることを見出している。現在、動物実験で得られたサンプルや培養骨格筋細胞を用いた実験を開始し、詳細な分子メカニズムの解明にも着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高食塩摂取に伴う筋萎縮をATP6ap2に対するワクチンの投与により予防できることをすでに発見した。また、本実験により得られた組織サンプルや培養細胞を用いた実験を開始し、高食塩摂取下においてATP6ap2に惹起される筋萎縮メカニズムの一端も解明できており、本研究課題は順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に本研究が進展しているため、引き続きATP6ap2に対するワクチン、中和抗体、培養細胞を用いた実験を継続し、高食塩負荷がどのようにATP6ap2を介して筋肉量を減少させるのか、その詳細なメカニズムを解明し、本研究計画の目的を達成させる。また、筋肉の「量」のみならず「質」も評価するため、マウスの筋力測定を今後実施する。それにより、高食塩負荷やATP6ap2が筋力にも影響を与えるかについて解析する。
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Causes of Carryover |
予定していた中和抗体を用いた実験の一部を実施できなかった。そのため、それらの実験を次年度に行うよう計画を変更したため、次年度使用額が生じた。
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