• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

フローサイズ予測に基づくトラフィック分割の精度向上に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21K17730
Research InstitutionThe University of Electro-Communications

Principal Investigator

八巻 隼人  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (20782197)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywordsリンクアグリゲーション / 負荷分散
Outline of Annual Research Achievements

令和3年度の研究実績として,ネットワーク機器において複数リンクを集約するリンクアグリゲーションを適用した際の各リンク負荷の偏りを明らかにし,より各リンク負荷を均等にするためのトラフィック分割方針について検討を進めた.
実ネットワークの通信トレースを用いた分析から,リンクアグリゲーション適用時の各リンクでは1.5倍~数倍の負荷の偏りがあることが明らかとなった.また,この原因として,エレファントフローと呼ばれる超多量のパケットで構成される通信フローと極短時間に局所的に多量のパケットを送信する通信フローの2種類の通信フローが主に影響を与え,各リンク負荷の偏りを生んでいることも明らかとなった.従って,上記2種類の通信フローを事前に特定し,その後の高密度なパケット到着を踏まえて各リンクに割り当てることで,よりリンク負荷の均等なリンクアグリゲーションが実現できる可能性がある.
また,令和3年度のもう一つの研究実績として,研究計画にはない新たなトラフィック分割手法の方針である“1通信フローの複数リンクへの分割”の検討が挙げられる.これまで,リンクアグリゲーションでは,1通信フロー内におけるパケットの到着順を守るために,1通信フロー内のパケットは同一の1リンクに割り当てることを遵守していた.しかしながら,上述したエレファントフローのような超大容量な通信フローを1リンクに割り当てることはリンク負荷の増大,偏りを招く.そこで,トラフィック分割の方針として,超大容量な通信フローを複数リンクに割り当て,なおかつパケットの順不同がなるべく起こらないような分割についても検討を進めている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和3年度までの本研究課題の進捗状況については,“おおむね順調に進展している”と評価する.
前述したように,まず,本研究課題の背景であるリンクアグリゲーション適用時の各リンク負荷の偏りについては,実ネットワーク通信トレースを用いた分析により,その問題性と主な原因が明らかとなってきた.また,上記問題を解決する手法として,研究計画段階では着目していなかった“1通信フローの複数リンクへの割当”という新たな方針を得ている.これらを総合的に判断し,1年度目としてはおおむね順調に進展していると判断した.
一方で,研究計画で予定していた,機械学習を用いた通信フロー特性(フローサイズ等)の予測に関しては,令和3年度の段階では着手できていない.この理由としては,上で述べた新たな提案方針“1通信フローの複数リンクへの割当”について,まず有効性を明らかにすべきと考えたためである.なお,機械学習を用いた通信フロー特性の予測は,新たな提案方針を実現する場合においても必要となる.従って,こちらについても来年度以降に取り組む必要がある.

Strategy for Future Research Activity

令和4年度以降は,主に,(1)1通信フローの複数リンクへの割当方針,(2)機械学習を用いた通信フロー特性の予測,(3)これらを組み合わせたトラフィック分割手法のデザイン,(4)提案手法の実装の4つのプロセスに分けて研究を進めていく予定である.
(1)については,1通信フローを複数リンクへ割り当てる場合にどの程度のパケット数毎に割り当てるリンクを切り替えることで,パケット到着の順不同をなるべく起こさず高いスループットを実現できるかを実験的に明らかにする必要がある.
(2)については,機械学習を用いて予測すべき通信フローの特性が何であるか(e.g., フローサイズ,パケット到着間隔,使用帯域幅),またそれら予測の適した学習法が何であるか(e.g., ニューラルネットワーク,サポートベクターマシン,ランダムフォレスト)を実験的に明らかにする必要がある.
(3),(4)については,(1)と(2)の結果により提案手法のデザインは変わってくるが,実ネットワーク通信トレースを用いて,提案システムを備えたリンクアグリゲーションのシミュレートと,ハードウェアコストの見積もりを行う予定である.

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi