2023 Fiscal Year Annual Research Report
観測密度を上回る高解像度の都市風況LESに対するデータ同化手法の開発
Project/Area Number |
21K17755
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
長谷川 雄太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10851016)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 格子ボルツマン法 / 局所アンサンブル変換カルマンフィルタ / データ同化 |
Outline of Annual Research Achievements |
格子ボルツマン法に基づくラージエディーシミュレーション(LES)に対するアンサンブルデータ同化として局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)をGPUに実装した。手法の適用可能性を検討するため、2次元等方乱流、3次元物体の周りを流れる乱流の系にて基礎的な精度検証をおこなった。
2023年度は、本研究の総括として、データ同化の精度検証の結果を論文化した。2次元等方乱流のデータ同化では、観測点数が計算格子の0.1%以下という疎な観測において高い精度を示した。また、観測点数がそれ以上に少ない場合では、データ同化誤差は大きくなるものの、誤差はもっぱら速度スペクトルの位相成分に現れ、振幅成分は物理的に妥当な値に保持されることを確認した。本精度検証結果を学術誌Fluid Dynamics Research誌にて公表した。
3次元物体の周りを流れる乱流の系のデータ同化では、観測点数が格子点数の1.56%の条件まで精度の良いデータ同化を行うことができることを示した。また、この系では計算格子点数2200万、32アンサンブル計算のデータ同化を32GPUの計算で実現しており、本実装が大規模計算に適していることも示すことができた。本成果は国際会議のプロシーディング論文として投稿中である。
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Remarks |
研究データ・ソースコードの公開
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