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2022 Fiscal Year Research-status Report

An internationally comparable individual longitudinal experimental study of intertemporal and interindividual variability in trust, reciprocity, and altruism

Research Project

Project/Area Number 21K18129
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

大垣 昌夫  慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (90566879)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 星野 崇宏  慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (20390586)
山本 勲  慶應義塾大学, 商学部(三田), 教授 (20453532) [Withdrawn]
窪田 康平  中央大学, 商学部, 教授 (20587844)
大竹 文雄  大阪大学, 大学院経済学研究科, 特任教授(常勤) (50176913)
花木 伸行  大阪大学, 社会経済研究所, 教授 (70400611)
奥山 尚子  横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (80617556)
Project Period (FY) 2021-07-09 – 2024-03-31
Keywords社会関係資本 / 社会的選好 / 信頼 / 利他性 / 応報性 / 経済実験
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、社会関係資本と社会的選好の時間的・空間的特性の分析によって、協力的な経済行動の理論・実証研究を進めることである。2022年度の実証研究の実績としては、2022年度應義塾大学パネルデータ設計・解析センター (PDRC) が我が国の代表的サンプルを対象に個人追跡調査をしているJHPS/KHPSのモジュール制度を活用した。この制度によってJHPS/KHPS本調査でアンケート質問によって信頼・地域の結束・利他性を測ることを2021年度に開始した際と同じ質問を用いて、2022年度には第2回の個人追跡調査を行ってパネルデータを構築した。2年間の2回にわたる調査によるパネルデータによって、これらの変数の時間的な変化を測定することができるようになった。また、2022年度はこの調査の協力者に招待状を送ってオンライン実験調査を実施して信頼・応報性・利他性等を測定した。このオンライン実験調査は国際比較可能であるように、OECDの Trustlabプロジェクトの実験プラットフォームと同様の実験結果が得られると予測できるように2021年度に開発した実験プラットフォームを用いた。このオンライン実験調査も第2回の個人追跡調査を行ってパネルデータを構築することが研究目的のために望ましいが、当初の研究計画では研究費が不足すると予測して2023年度に第2回調査を予定していなかった。しかし、2022年度の調査で招待状を送った協力者からのオンライン実験調査への応答率が2020年度の申請時の予測よりも低かった。このため、2023年度はすでにパネルデータを構築したモジュール調査を実施しなければ、2022年度にオンライン調査を実施できるだけの研究費があることが分かった。このため計画に変更し、2年間の2回にわたる調査によるオンライン実験調査のパネルデータを構築する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の2022年度の実証研究では、PDRCでのJHPS/KHPSの本調査でのアンケート質問によって信頼・地域の結束・利他性を2022年度調査で2回目の測定を実施した。これによって2021年度の調査とあわせてパネルデータを構築した。さらに2022年度はJHPS/KHPSの協力者に招待状を送付して実施するオンライン実験調査を実施した。この実施に2020年度の申請書提出後に予想外の課題が生じた。当初の計画ではこのオンライン実験調査では、JHPS/KHPSの64歳以下の協力者全員に招待状を送る予定であったが、もしも申請書提出時に費用の計算に用いた応答率よりも高い応答率であった場合に研究費が不足する可能性があった。JHPS/KHPSの協力者に経済実験を含むオンライン調査の招待状を送付するのはこの調査が最初であったため、応答率を推定するための情報が必要であった。そこで9~10月初旬にまず500人に招待状を送り応答率を推定し、推定を基に10~11月に招待状を送って調査を実施した。社会関係資本と社会的選好の空間的特性の分析の一環として、本プロジェクトのJHPS/KHPS協力者のサンプルからの実験結果を、他の研究資金プロジェクトで同じ実験プラットフォームで実施した調査の結果との比較分析を行った。経済学実験では大学生のサンプルプールが標準となっているため、大学生のサンプルとの比較を行った。社会関係資本のひとつであり経済学で多くの研究のある信頼について、経済学実験でよく使われている信頼ゲームという実験での測度を用いた。社会的選好である利他性については独裁者ゲームという実験での測度を用いた。JHPS/KHPS協力者の信頼と利他性の測度の分布は大学生のこれらの測度の分布と統計的に有意に異なっていた。信頼と利他性がともに大学生の方が低かった。

Strategy for Future Research Activity

今後の実証研究ではPDRCでのJHPS/KHPSの対象者のうち2022年度にオンライン実験調査への有効回答者893人に約1000人に招待状を送り、第2回のオンライン実験調査を実施する予定である。2022年度に実施した第1回調査とあわせて、これらの変数の変化を測定する。この調査によって社会関係資本と社会的選好の通時的な変動と、その互いの関係や他の経済変数との関係を調べる。このオンライン実験では信頼ゲームを用いて信頼を測定する。信頼ゲームでは無作為にプレイヤーAとプレイヤーBに分けられて2人がペアとされる。プレイヤーAとBはそれぞれ1000円のお金をゲームの最初に与えられ、プレイヤーAはプレイヤーBに一部または全部のお金を送るかどうかの意思決定を行う。次にプレイヤーBは、お返しとして送られてきたお金をプレイヤーAに自発的に全部か一部を送り返すかの意思決定を行う。全く送り返さないという選択肢もある。プレイヤーAの信頼が高いほどプレイヤーAは多くの金額を送ることになる。利他性は独裁者ゲームで測定する。このゲームの構造は信頼ゲームに似ているが、プレイヤーAだけが最初に1000円を受け取り、プレイヤーBは受動的にプレイヤーAが独裁的に決めた金額のお金を受け取るだけで、何の意思決定もしない。プレイヤーAの利他性が強いほど、多くの金額を送ることになる。詳述しないが応報性は公共財ゲームで測定する。さらにこの調査の際にはアンケート調査も同時に実施し、信頼をアンケート調査で測るために用いられている「一般的にほとんどの人について、普段どの程度信頼していますか」などの2種類の質問からも信頼を測り、実験によって測った信頼の測度と比べて時間を通じた変化および、利他性や応報性の変化とどのような関係性を持つかを比較する。

Causes of Carryover

2022年度はPDRCのJHPS/KHPSの協力者を対象に招待状を送付してオンライン実験調査を実施した。このように調査を実施するのは初めてのことであり、特に招待状への応答率の予測に困難があった。応答率が予測よりも低かったことなどが理由で次年度使用額が生じた。
2023年度はPC関係消耗品、ソフトウエア、文房具の消耗品に360千円、研究成果発表の海外旅費のために727千円、デモ試行と試行に基づいたオンライン実験プラットフォームの修正、データ分析、在宅研究が中心となっているため本研究のための書籍と資料の電子化のためのアルバイトの人件費のために776千円、国際学会参加のための登録費に122千円、オンライン実験のための調査委託に2,400千円、英文校閲のために200千円を使用する計画である。

  • Research Products

    (8 results)

All 2023 2022 Other

All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (5 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 4 results,  Open Access: 5 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 2 results)

  • [Int'l Joint Research] OECD(フランス)

    • Country Name
      FRANCE
    • Counterpart Institution
      OECD
  • [Journal Article] 早期避難促進ナッジが与える効果の異質性2023

    • Author(s)
      北野翔大、大竹文雄
    • Journal Title

      行動経済学

      Volume: 15 Pages: 44~66

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Economics of the community mechanism2022

    • Author(s)
      Ogaki Masao
    • Journal Title

      The Japanese Economic Review

      Volume: 73 Pages: 433~457

    • DOI

      10.1007/s42973-022-00113-2

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Wealth, Financial Literacy and Behavioral Biases in Japan: the Effects of Various Types of Financial Literacy2022

    • Author(s)
      Sekita Shizuka、Kakkar Vikas、Ogaki Masao
    • Journal Title

      Journal of the Japanese and International Economies

      Volume: 64 Pages: 1~14

    • DOI

      10.1016/j.jjie.2021.101190

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] The school education, ritual customs, and reciprocity associated with self-regulating hand hygiene practices during COVID-19 in Japan2022

    • Author(s)
      Lee Sun Youn、Sasaki Shusaku、Kurokawa Hirofumi、Ohtake Fumio
    • Journal Title

      BMC Public Health

      Volume: 22 Pages: -

    • DOI

      10.1186/s12889-022-14012-z

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] オンライン・フィールド調査による早期避難促進メッセージの効果検証-行動経済学から学ぶ2022

    • Author(s)
      北野翔大、大竹文雄
    • Journal Title

      日本労働研究雑誌

      Volume: 64(12) Pages: 26~37

    • Open Access
  • [Presentation] The Community Mechanism and Kansei2023

    • Author(s)
      Masao Ogaki
    • Organizer
      International Society of Affective Science and Engineering
    • Int'l Joint Research / Invited
  • [Presentation] 行動経済学で考える保険:共同体メカニズムの観点を中心に2023

    • Author(s)
      大垣 昌夫
    • Organizer
      日本保険年金リスク学会
    • Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

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