2022 Fiscal Year Research-status Report
Discovery and validation of high-performance recombinant ligands
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21K18250
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 邦夫 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (90201780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 啓 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (50397832)
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Project Period (FY) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞増殖因子 / ネオバイオロジクス |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞増殖因子は他に置き換えられない顕著な薬効をもつが、生物化学的な特性により、医薬として利用される増殖因子は一部にとどまる。私たちはHGFやMET受容体に高い親和性で特異結合する環状ペプチドを取得した(Nat Commun, 2015; Nat Chem Biol, 2019)。また、環状ペプチド配列をscaffoldタンパク質に内挿/graftすることによって、標的結合性を様々なscaffoldタンパク質に付与できることを示した(Lasso-Graft法)(Nat Commun, 2021)。一方、増殖因子受容体はダイマー化によって活性化されることから、MET結合ペプチド配列が2ヶ所内挿されたタンパク質はMET受容体のダイマー化、すなわちMET活性化能をもつ可能性がある。本研究はLasso-Graftタンパク質工学技術を用いて、超機能バイイオロジクスを取得することを目的としている。MET結合ペプチド配列(aMD4)を、ヘテロダイマータンパク質であるIgG Fc部分に内挿することによって、Fc分子内にaMD4配列が2ヶ所呈示されたFcが得られた。同分子によるMET活性化を評価した結果、HGFと同等のMET活性化能をもつことが検証された。マウスでの検討から、投与後10日を経過しても、MET活性化を引き起こす同分子の血中濃度が維持された。すなわち、HGFに匹敵するMET活性化能に加え、血中で高度に安定な“HGF-mimetic”を創成することに成功した。さらに、MET活性化はニューロン生存を促す。そこで、血液脳関門/BBBを通過することが可能なトランスフェリン抗体のFc領域にaMD4を内挿することによって、MET活性化能と同時に、脳実質内ニューロンに到達できる超機能分子を創成することに成功した(Nat Biomed Eng, 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿って順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画では本計画の目的の一つであるFcをscaffoldとするMETアゴニストの取得に、より多くの時間と研究資材を投入する予定であったが、当初に比べ、より短い時間、より少ない研究資材の使用によって、研究目的の主たる内容を達成する高性能分子を取得することができた。次年度においては、本研究で利用された革新技術の汎用性を高めるべく、実験動物での検討についても行うため、物品費として使用される見込みである。
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Research Products
(20 results)